JR東日本は3日、災害に強い鉄道をめざし進めている耐震補強対策と新幹線逸脱防止対策の進捗状況を発表した。南関東エリアでの新幹線高架橋柱耐震補強工事、南関東・仙台等エリアでの新幹線レール転倒防止装置の設置工事は今年度で完了する見込みだという。
新幹線高架橋柱耐震補強工事は首都直下地震などに備えるための対策で、今年度末で計画全体の約半数に当たる約1,100本を完了する見込み。今後も工事を進め、2016年度末までに全体の約8割を完成させたいとしている。レール転倒防止装置はレールの下部を支えることで、異常時のレール転倒を防ぐための設備。新幹線逸脱防止対策の一環として導入され、今年度末までに南関東・仙台等エリアの約360kmで設置を完了する予定だ。
2015年度以降、首都直下地震に備える耐震補強対策の中でも、線路を通すために地面を切り下げた「切取(きりとり)」と呼ばれる箇所(約23km)の耐震補強に本格的に着手。「切取」とは反対に地面を盛り上げて線路を通す「盛土」の耐震補強で培った技術を応用し、工事の推進を図るという。あわせてレール転倒防止装置の設置を南関東・仙台等エリア以外にも拡大していくとしている。