演出家・平田オリザによる同名小説を、『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督が映画化した青春映画『幕が上がる』が2月28日から公開。主演は他のアイドルとは一線を画す存在として熱い支持を集める、ももいろクローバーZ。高校演劇を舞台に、全国を目指す少女たちの姿を描いた本作は、モノノフ(ももクロのファン)以外の観客の胸にも確実に響く作品に仕上がった。部長のさおりに扮したももクロリーダーの百田夏菜子、演劇部の看板女優・ユッコ役の玉井詩織、さおりを慕う後輩部員・明美役の佐々木彩夏、強豪校からの転校生・中西役の有安杏果、ムードメーカー・がるるに扮した高城れにの5人が、映画初主演で感じたことは?
――役柄を掴んだ、手ごたえを感じたといった瞬間はいつでしたか?
高城れに(以下高城):やっていくうちに、だんだん"がるる"という役を自分自身が好きになっているのが分かりました。あと最初はどこまで自由にやっていいのか分からなかったけど、顧問役のムロ(ツヨシ)さんがクランクインして、アドリブも入れながらすごく自由に演技されていて、監督もいいね!という反応だったので、あ、もっと自由にやっていいんだと思えました。
玉井詩織(以下玉井):クランクイン前に監督と役柄について話す時間がなかったので、撮影をしていく中で作っていきました。役柄を掴めたとか、そういう感覚は分からないのですが、完成した作品を観たときに、きちんと"ユッコ"として映画の中で生きられていたので嬉しかったです。
百田夏菜子(以下百田):"さおり"は部長で演出家という、みんなをまとめて劇中劇を作り上げていく役でした。なので、撮影前に参加した(平田)オリザさんのワークショップのときから、どんな時にみんなのお芝居を止めたり、アドバイスを入れるのか、オリザさんの姿を見ていました。撮影に入ってから、自分でもだんだんみんなのお芝居で気になるところが出てきて、止めて指示できるようになっていきました。本当に演劇部のお芝居を作り上げている感じがして、嬉しかったです。
佐々木彩夏(以下佐々木):現場ではモニターを見なかったので、どんな風に映っているのか全くわからなくて不安もありましたが、自分の中でだんだん"明美"ちゃんがはっきりしていくのが分わかって嬉しかったです。台本に書いていない部分も感じられるようになって楽しかったし自信になりました。
有安杏果(以下有安):自分たちの演技を観て手ごたえを感じたとか、そういう瞬間はなかったのですが、でも最初はこうかなぁと思いながら監督に相談していたのが、いつの間にかこう思うと変化していったのが嬉しかったですね。あと、衣装に"中西"って名前が入ってたり、スタッフの方もみなさん役名で呼んでくれていたので、呼ばれたり、制服を着ると、役に入れた気がします。
――百田さんの部長っぷりはいかがでしたか?
玉井:普段、普通に生活しているときにはリーダーっぽいところってないんですよ。でもライブでの最後の言葉とか、ちゃんと締めるところはリーダーらしいんですよね。今回の部長役でも、最初はオリザさんを見て、「あんな風に止められないよ、できない!」とか言ってたんですけど、いざ撮影に入ったらバンバン止めてきて。どんどん部長らしくなってきて、ちょっと悔しかったですね(笑)。
佐々木:私はオリザさんに肩が揺れるって指摘されてたんですけど、明美ちゃんがスランプになるところで、部長に同じことを言われて、オリザさんに見えました。
玉井:オリザJr.だね。
高城:さおりはなんだかんだ言って、部員のみんなのことをちゃんと見ていて部長らしいし、そこがももクロのリーダーにもかぶると思いました。
有安:部員が実際の大会の舞台上でお芝居をしているときに、さおりは演出家として袖から見守ってるんですが、撮影は別だったので、完成した作品で初めてそのときのさおりの表情を見て、部長だなって感じました。あと、メンバー以外の子たちも部長として見ているのが伝わってきたので、ちゃんと部長やってんじゃんって思いましたね。
百田:みんな、いいこと思ってるんじゃん。普段は恥ずかしくて言えないんだね~。みんな、わたしのことが好きなんだね♪
4人:(一斉に)インタビューだからだよ!