ハンドメイド作品の展示・販売・購入ができるオンラインマーケット「minne」。同サイトが主催する「ハンドメイド大賞」の表彰式が行われた。今回が初開催となる同コンテストだが、応募作品は何と1万3,000点以上。表彰式の会場には、審査を経て最終ノミネートされた149作品の作家が招待された。

「minneハンドメイド大賞」の表彰式

作品の審査を行ったのは、俳優の片桐仁さん、タレントの光浦靖子さんや篠原ともえさん、クロスステッチデザイナーの大図まことさんなど。このレポートでは、審査員の心を見事射止めた受賞作品を紹介しよう。

大賞は毛糸の動物ブローチ

大賞はtrikotriさんの「森の動物たちのぽんぽんブローチ」。満場一致で大賞に決まったという同作品は、「毛糸のポンポン」で作られたアイテムだ。大きさは手のひらにすっぽり収まるサイズで、顔の造作や柔らかな毛糸の質感、動物の特徴を見事に捉えた色使いがとてもリアル。つぶらな瞳もキュートで、思わずモフモフしたくなってしまう。

「森の動物たちのぽんぽんブローチ」

審査員からも「『どうやって作っているの?』と審査会場がざわついた作品です。色合いや表情がかわいらしく、毛糸でできているのが信じられないです」とコメントが寄せられた。

毛糸のポンポンを作るのにはまっており、そこから動物が作れないかということでこの作品を思いついたというtrikotriさん。ブローチを胸につけてのスピーチで「小さな頃からものを作ることが大好きだったのですが、ものづくりをしながら生きていくというのは結構大変なことだと思います。今回この賞をいただけたことで、ものづくりをしてきてよかったなとうれしく感じています」と喜びを語った。

服につけてもかわいい!

部門賞は抱きしめてくれるメモなど

部門賞では、「アクセサリー」「小物」「ファッション」「ベビー・キッズ」「ステーショナリ」の5部門5作品が表彰された。

「ステーショナリ部門」の受賞作品は、おはなばたけだよさんによる「抱きしめも」。「もらってうれしいメモ」をテーマに作られたという同作品は、かわいらしいキャラクターがメッセージを「ぎゅっ」と抱きしめてくれるメモだ。

「抱きしめも」

審査員からは、「抱きしめている腕を開くと…? どんなうれしいメッセージが書かれているのか気になってしまいます。今すぐ使いたくなる、かわいいデザインがとても愛らしいです」と評価された。

トキ、ヤギなど独創的なテーマ別賞

「アイディア賞」「ユーモア賞」「話題賞」「こだわり賞」「技術賞」「商品化賞」の6作品を表彰するテーマ別賞では、独創的な視点で作られた作品が表彰された。

「アイディア賞」受賞作品は、リペアハウス北澤さんの「箸を使わないトキ」。「ニッポニア・ニッポン」の学名を持つ鳥、「トキ」をモチーフにしたくちばしが箸になる箸置きだ。

「箸を使わないトキ」

審査員も「『こんな箸置きがあるなんて!』と思わず驚く、お箸をくちばしに見立てたアイデアが斬新。『箸を使わないトキ』というタイトルにも審査員一同脱帽でした。日本ならではのアイテムとして、海外の方にも紹介したくなる作品」と絶賛された。

カラフルな色使いについては「ピンクのときは恋したトキ、黄色のトキはカレーうどんを食べたトキ、青いトキは冷え性なトキ」なのだそう。

箸をしっかりと持っていてくれるトキ達

「ユーモア賞」にはlumienaさんの「毛糸から生まれたヤギのトイレットペーパーカバー」が選出。「普通のトイレットペーパー1つを丸飲みできる」大きさの同作品は、「紙が大好物なイメージ」があるヤギの口から、紙が出てきたら面白いなという思い付きから生まれたという。

「毛糸から生まれたヤギのトイレットペーパーカバー」

審査員からは「何と、やぎさんの口からトイレットペーパーが…!! こだわりの毛糸を使用し、かぎ編みで作りこまれた作品です。やぎさんのとぼけた表情がとてもかわいらしいところも素敵です」とコメントが寄せられた。

minneで紹介されているヤギの飼い方は、「餌は与えないでください。でもあなたが紙を必要とするとき、口から出してもらってください」。とても役に立ちそうなヤギさんだ。

餌をやりたくなるとぼけた表情

光浦さん、片桐さん注目のネックレスとは?

最後に、ゲスト審査員がときめいた作品に贈られる「ゲスト審査員賞」の受賞作を紹介しよう。受賞6作品の中でも異彩を放っていたのが、「片桐仁賞」「光浦靖子賞」をダブル受賞した岡田敏幸さんによる「馬のからくりネックレス」だ。

「馬のからくりネックレス」

木でできた馬モチーフのネックレスは、1番下の取っ手を回すと、歯車が動き、馬が走るというからくりが! 同作品に対し、光浦靖子さんと片桐仁さんからユーモアあふれるメッセージが寄せられた。

「存在感に目をうばわれ、ギミックを知ったら審査会場が騒然となりました。なぜネックレスにしたのかは分かりませんが、『作りたくて作った』というすばらしい作品」(片桐さん)

「オリジナリティーのすごさ、精密さ、『すごいけどそんなに欲しくない~』という無駄なかんじがすばらしい! 木でできていて、痛くないように角も取られている優しさ、『でもそんなに欲しくない~』『何で?』というバランス感。手のこみ具合も群を抜いていました」(光浦さん)

手の込んだ仕掛けのネックレス

また「篠原ともえ賞」の表彰では、篠原さんが自ら作成したドレス姿で登場。「昔からハンドメイドは身近なものだった」という篠原さん。「篠原ともえ賞」を受賞した旻(みん)さんの「星空の指輪(12星座)」については、「光の等級まで表現されていて、『星空を手に集めた』ような愛を込めた感覚が伝わってきました」と語った。

授賞式に参加した篠原ともえさん

篠原ともえ賞「星空の指輪(12星座)」

独創的な作品が多数寄せられたハンドメイド大賞。GMOペパボ 代表取締役社長 佐藤健太郎さんは、「びっくりする物、カワイイ物など我々が思いつかないようなものがたくさんあって、みなさんの創作意欲を感じることができました。この賞が、日本のものづくりのさらなる発展とものづくり業界活性化の一歩になればと考えております」とコンテストを振り返った。

このレポートでは各受賞作の一部を紹介したが、minneでは他にも素敵な作品も多数掲載されている。詳細が気になる人、ハンドメイドに興味がある人は、ぜひサイトを覗いてみてほしい。素敵な作品との出会いがあるはずだ。

その他の受賞作もちょっとだけご紹介

パジコ賞「Banana Magnets」

ブティック社賞「ワニのミニポーチ」

ミササ賞「クロスステッチのお裁縫箱」

こだわり賞「手編みの縄文土器<男子用>」

日本編物工業賞「編みりんご『世界一周トラベリンゴ』Large」

大図まこと賞「ワオキツネザルバッグ」