大手百貨店3社は2日、2015年2月の売上高(速報、既存店ベース)を発表した。それによると、大丸松坂屋、高島屋、三越伊勢丹のいずれも前年を上回った。春節期間中(2015年2月18~24日)に中国人旅行者による買い物が増加したことなどが影響した。
J.フロントリテイリングの百貨店事業の売上高は前年同月比1.6%増。このうち、大丸松坂屋百貨店合計の売上高は同2.5%増と、6カ月ぶりのプラスとなった。店舗別に見ると、東京店が10カ月連続、梅田店が8カ月連続、札幌店が5カ月連続、心斎橋店が2カ月連続のプラスとなるなど、直営7店舗が前年を上回った。
2月は、訪日外国人売上が前年の約4.4倍と大幅に増加したほか、婦人・紳士ともにスプリングコートの売れ行きが好調など、春物ファッションが堅調に推移し、バレンタイン商戦も売上を伸ばしたという。
高島屋単体および国内百貨店子会社の売上高は同0.1%増。このうち、高島屋単体(13店舗)では同0.6%増と、3カ月ぶりのプラスとなった。店舗別に見ると、外国人観光客の多い都心店の新宿店は同7.8%増、日本橋店は同1.6%増、大阪店(単独)は同1.1%増、京都店(単独)は同0.2%増と、前年を上回った。
商品別では、紳士服・紳士雑貨・婦人服・婦人雑貨・食料品などがプラス。一方、消費増税前の駆け込み需要などにより、前年に売上を伸ばした特選衣料雑貨・宝飾品・呉服・美術の高額品などはマイナスとなった。また、免税販売額は前年比3倍超と大幅に増加した。
三越伊勢丹ホールディングスの国内百貨店事業の売上高は同4.0%増。このうち、三越伊勢丹の売上高は同7.0%増と、8カ月連続のプラスとなった。店舗別に見ると、三越銀座店は同24.6%増と大幅に増加し、25カ月連続のプラス。このほか、伊勢丹立川店は同6.2%増、伊勢丹相模原店は同3.9%増など、支店の売上も前年を大きく上回った。
商品別では、春物の婦人衣料やパンプスなどが好調。また、春節を中心に免税販売が前年比3倍近い売り上げを記録し、ブランドのハンドバッグや宝飾品、化粧品、子供雑貨などの売れ行きが良かったという。