日立製作所はこのほど、航空・防衛などの分野で世界トップ10に入るイタリアの製造会社、フィンメカニカ社との間で、同社傘下の2社を買収する契約を締結した。

日立がフィンメカニカ社傘下の2社を買収する契約を締結(写真はイメージ)

日立が買収するのは、フィンメカニカ社の子会社として鉄道の車両や信号システムを製造する「アンサルドブレダ社」「アンサルドSTS社」の2社。

アンサルドブレダ社は、都市交通と高速鉄道の分野で伝統的に強い力を持ち、米国をはじめとする世界各国の主要プロジェクトで存在感を発揮している。アンサルドSTS社は、鉄道と地下鉄向けの信号装置や制御システムの設計、実装、管理の各分野で高い技術を有する企業。すぐに稼動できる状態で納品する「ターンキー」で鉄道システムを世界に提供しており、30以上の国と地域に約4,000名の従業員を擁する。

鉄道の信号・運行管理システム事業やターンキー事業などで世界的に競争力を高めたい日立と、航空・防衛・セキュリティー事業に集中したいフィンメカニカ社の思惑が一致したことから、今回の契約に至ったという。日立がアンサルドブレダ社の買取にあたって支払う金額は、フィンメカニカ社が保有する不動産の代金と合わせて約48億6,000万円になる見込み。アンサルドSTS社については、フィンメカニカ社保有の全株式(発行済株式の約40%)を約1,044億円で取得。残りの株式については公開買付けを行う予定だという。

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