三菱重工、三菱商事、日立製作所、近畿車輛、フランス・タレス社の5社は、カタール鉄道会社から同国初の地下鉄システム「ドーハメトロ」の受注内示を獲得したと発表した。
今回、受注内示を受けたのは全自動無人運転の鉄道システム一式で、車両225両(75編成)のほか、信号設備、受配電設備、通信設備、プラットホームドア、軌道工事、トンネル換気設備、検修設備、車両基地建設などが含まれるとのこと。完成予定は2019年10月で、その後の最長20年にわたる保守も契約に盛り込まれる見込みだという。
5社連合のリーダーを務める三菱重工は、受配電設備、プラットホームドア、軌道工事、トンネル換気設備などの供給に加え、プロジェクトマネジメントとシステムインテグレーションを担当。車両は三菱商事と近畿車輌が製作し、日立製作所はプロジェクトマネジメントの一部や総合検測車、一部メンテナンス設備などを供給する。最新の列車制御方式(CBTC)を用いた信号システム、通信・保安システム、総合運行管理センター、自動料金収受システムはタレス社が手がける。
ドーハメトロはカタールの首都・ドーハを走行する3路線で構成される総延長約86km(地下区間52km)、32駅の鉄道システム。完成すれば、2014年4月に開港した新ドーハ国際空港、旧市街、高層ビルが立ち並ぶウエストベイ地区、ルセール地区などの市内主要部をくまなく結ぶ交通インフラとなる。同国で開催予定の2022年FIFAワールドカップ開催時のスタジアムへのアクセスとしても期待されているという。将来的には約140kmに及ぶ延伸も計画されている。
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