説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「ひっきりなしにスマホを手にとってしまいます……」という質問に答えます。

それは困りましたね。世に言う「スマートフォン依存症」なのかもしれません。麻薬やタバコ、アルコールと異なり身体的依存性はなく、医師からそのような診断を下されることもないでしょうが、やたらとスマートフォンを手にしてしまうことには一種の習慣性を見てとれます。

フィーチャーフォン全盛期から"ケータイいじり"は問題視されていましたが、スマートフォンの時代に入り問題はより難しくなりました。フィーチャーフォンは音声通話とショートメールが主な用途でしたが、スマートフォンではそこにSNS(Facebook、Twitter、LINEなど)というコミュニティ参加型のサービスが加わっています。さらに各種アプリからプッシュ通知という名の"お誘い"があるため、利用しているサービスの数に応じて触れる機会は増えます。

スマートフォンを使いこなそうとするかぎり、つねに「スマートフォン依存症」の危険に晒されることになりますが、多少は症状を緩和させる方法があります。それは、「プッシュ通知を許可するアプリをできるだけ減らすこと」。地味な方法ですが、プッシュ通知は効果音やバイブレーション、LEDフラッシュで注意喚起を試みますから、その回数が減ればスマートフォンを意識する回数も減ります。SNSから退会する必要もありません。

それではタイムリーに情報をキャッチできない、スマートフォンならではの利便性が低下する、という指摘もあるでしょうが、スマートフォンのような携帯機器において利便性と習慣性は表裏一体の関係です。「いつもスマホ触ってるね」と言われても気にならないのであれば話は別ですが……

なお、すべてのアプリのプッシュ通知をまとめて設定変更することはできないため、「設定」の「通知」画面でひとつひとつオフに変えていくしかありません。機内モードを使う方法もありますが、その間に他の重要な用件が届かなくなるうえ、通信を再開したとき通知が山のように届くことになります。結局、アプリを使いはじめるときの「プッシュ通知を送信します。よろしいですか?」のダイアログが表示されたとき、先々を考えたうえで「OK」ボタンをクリックするしかなさそうです。

プッシュ通知してくるアプリをひとつひとつオフにすることが、「スマートフォン依存」を減らす数少ない対策なのかもしれません