国土交通省と総務省は26日、「空家等対策の推進に関する特別措置法」(2014年法律第127号)が一部施行されたことを受け、空き家に関する施策を総合的に実施するための基本指針を発表した。空き家と判定する目安を、1年間にわたって使われていないこととした。

建築物の使用実態については、人の出入りの有無、電気・ガス・水道の使用状況などから客観的に判断することが望ましいとした上で、空き家かどうかを判定する場合は、「概ね年間を通して建築物等の使用実績がないことは1つ基準となる」との考えを初めて示した。

このほか、自治体に対し、空き家に関するデータベースの整備を求めているほか、空き家および跡地の活用の促進などを提案している。

空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針【概要】(出典:国土交通省Webサイト)

2013年に総務省が実施した住宅・土地統計調査の速報値によると、全国の空き家の数は約820万戸で、総住宅数に占める割合は13.5%に上る。また、「賃貸用又は売却用の住宅」および「二次的住宅」を除いた「その他の住宅」に属する空き家は約318万戸と、過去20年間で約2倍に増加。倒壊の危険性など周辺の生活環境への影響が懸念されている。