オウチーノ総研はこのほど、「2014年、人気の高かった市区町村ランキング[新築マンション編・新築一戸建て編]」の調査結果を発表した。同調査は、住宅情報サイト「O-uccino」新築サイトの、2014年1月1日~12月31日のアクセス数をもとに、各市区町村ページのアクセス数が多い順にランク付けしたもの。
首都圏・新築マンション編は、千代田区、中央区、港区の都心3区が上位
「首都圏の新築マンション編」は、1位が「東京都千代田区」、2位が「東京都中央区」、3位が「東京都港区」と、都心3区が上位を占め、都市回帰の高まりがうかがえた。
1位の「東京都千代田区」は、23区のなかでも中心に位置し、皇居を取り囲むエリア。国会議事堂、最高裁判所、各官公庁やオフィスが軒を連ね、さらに皇居が区の面積の約12%を占める。そのため居住エリアが限られており、人口は5.4万人と東京23区のなかで最も少ない。しかし2014年総務省統計局の調査によると、転入超過数の人口に対する割合が4.6%と、昨年、首都圏で最も人口増加率が大きかった。
2位の「東京都中央区」は、2014年転入超過数の人口に対する割合が3.4%と、首都圏で「東京都千代田区」に次いで多かった。3位の「東京都港区」は東京のビジネスの中心地で、新橋、汐留、品川などのビジネス街には大企業が軒を連ねる。
首都圏・新築一戸建て編は、世田谷区、文京区、板橋区が上位
「首都圏の新築一戸建て編」は、新築マンションの上位10エリアがすべて東京23 区だったのに対し、「千葉県船橋市」「埼玉県越谷市」「埼玉県和光市」「埼玉県朝霞市」などベッドタウンがランクインした。
1位は「東京都世田谷区」。成城や奥沢といった高級住宅地のイメージが強いエリアだが、駅前に商店街が広がる庶民的な街も多い。2位は「東京都文京区」。ほぼ全域が山手線の内側にすっぽり入る区でありながら、閑静な住宅地が多く、区内に大きな繁華街を持たず、六義園や小石川後楽園などの庭園も残る。
近畿圏はマンション、一戸建てともに「兵庫県西宮市」が1位
近畿圏は、「兵庫県西宮市」が新築マンション編、新築一戸建て編ともに1位を獲得。大阪市と神戸市の中間に位置し、両都市をつなぐ路線が3本走るなどアクセスが良好。夙川や西宮七園など、市内には近畿圏有数の高級住宅地がある一方、西宮北口駅などは駅前の商業施設も充実。新築マンション、新築一戸建てともに供給量の多いエリアだという。
2位は「大阪府大阪市北区」。大阪駅・梅田駅を中心に、近畿圏有数の繁華街、ビジネス街が集まるエリアで、本社を置く企業も多い。現在開発中の大阪駅北地区「うめきた」の百貨店や複合施設、また日本一長い「天神橋筋商店街」など商業施設も充実している。3位は「大阪府大阪市中央区」。区内のほとんどはオフィス街や官公庁だが、2014年総務省統計局の調査によると、転入超過数の人口に対する割合が3.4%と、近畿圏において最も大きい。なお同割合の近畿圏2位は「大阪府大阪市北区」の2.2%で、首都圏のみならず近畿圏においても都心回帰が見られる。
新築一戸建て編は、1位の「兵庫県西宮市」、3位の「兵庫県伊丹市」、6位の「兵庫県尼崎市」、10位の「兵庫県宝塚市」の阪神間エリア、2位の「大阪府豊中市」、4位の「大阪府高槻市」、5位の「大阪府吹田市」、8位の「大阪府箕面市」の北摂エリアの人気が高かった。両エリアは隣接したエリアであり、大阪府北部と兵庫県南東部に新築一戸建ての人気エリアが集中していることがうかがえた。