新日鉄住金は19日、釜石製鉄所(岩手県釜石市)の石炭火力発電所における木質バイオマス使用量を拡大すると発表した。
釜石製鉄所は2010年10月より、火力発電所において、地域で発生する木質バイオマス資源と石炭との混焼を開始。今回、さらなる温室効果ガス削減、地域の林業振興に貢献することを目的に、木質バイオマスの事前破砕設備を増設するとともに、ボイラー設備および木質バイオマスと石炭の受入設備を増強・改造することを決定した。
年間使用数量は現状の約7,000トンから最終的に4万8,000トンまで拡大する計画。使用形態は細粒チップ。拡大時期は2015年6月を予定している。
同社は併せて、大分製鉄所(大分県大分市)の火力発電所において、木質バイオマス資源の石炭との混焼を開始したと発表した。
同社によると、大分県では林業再生の観点から、間伐や主伐により伐採された木材のうち、未利用のまま林地に放置されている未利用材を活用する要請が強まっていたという。これを受けて、同製鉄所では2014年12月より、石炭火力発電設備において地域で発生する未利用材を破砕処理した木質チップの混焼を開始。2015年2月から受け入れ目標である1カ月当たり使用数量1,000トンを達成した。年間使用数量は1万2,000トンを予定している。