科学技術振興機構(JST)は12月5日(金)~7日(日)、都内で「第2回 科学の甲子園ジュニア」の全国大会を開催した。理科や数学など、理系分野の知識や応用力で挑む知的な競技会で、今年が2回目の開催。前回を上回る20,000名以上の中学生がエントリーし、各都道府県で選抜された47チーム、合計282名が全国大会に出場した。

会場となったのはBumB東京スポーツ文化館(東京都江東区)

各都道府県の代表47チームが理系中学生の頂点を目指す!

初めてレース競技も開催

「科学の甲子園ジュニア」は、高校生向けである「科学の甲子園」の中学生版として、昨年度(2013年度)初めて開催された競技会だ。団体戦になっており、1チームは6人で構成。代表の選考方法は各都道府県に一任されていて、メンバー全員が同じ中学校のチームもあれば、別々の学校の混成チームもある。

競技は、筆記競技が1種類(300点)、実技競技が2種類(各300点)あって、その合計点で順位が決まる。この配点は前回と同じだが、大きな変更点は、今回、初めて実技で工作競技が導入されたことだ。

高校生版の科学の甲子園には、「クリップモーターカーF1」(第1~2回大会)、「Mgホバーレース」(第3回大会)のような工作競技がある。順位をレースで決めるため、会場が最も盛り上がる看板イベントになっていたのだが、ジュニアの第1回大会にはこうしたレース競技が無く、どちらかといえばちょっと地味目な印象だった。

今回、ジュニアで実施されたのは、自作のヘリウム飛行船を操縦して、的に当てながらゴールを目指すという新競技。前述の高校生版の工作競技では、予選で速い機体が大体決勝でも勝っていたが、ジュニアの場合、「人間の操縦」という不確実な要素が加わるため、決勝では大番狂わせも。生徒は大変だろうが、会場は大いに盛り上がった。

今回初開催の「ヘリウム飛行船」。出来上がった形も様々だった

筆記競技は非公開で進められたため、本レポートでは、2つの実技競技の様子を紹介しよう。