2月16日まで千葉・幕張メッセで開催された「ジャパンキャンピングカーショー2015」。数々の専門ディーラーやビルダーが新型車を展示するなか、本田技研工業や日産自動車、ダイハツ工業など、自動車メーカーや関連企業各社も出展していた。
ホンダブースに「N」シリーズのコンセプトモデルが勢ぞろい
自動車メーカー各社の中でも、とくに目立っていたのがホンダのブース。人気の軽乗用車「N-BOX」をベースとしたコンセプトモデル「N-TRUCK」をはじめ、アウトドアシーンに似合う「N」シリーズを提案していた。
「N-TRUCK」は「N-BOX」の全長を50cmカットし、カスタマイズした軽ピックアップトラック。これに連結可能な「N-CAMP」は、大人2名の使用を想定し、収納ロフトベッドも装備した「N-TRUCK」専用キャンピングトレーラーだ。この2台のコンセプトモデルが並んで展示され、注目を集めていた。この2台について、「Nシリーズをテーマに、デザイン室で出したアイデアのひとつ。デザイン室にはアイデアを形にして見せるというやり方があり、今回も作ってみようということになりました」と、本田技術研究所四輪R&Dセンター技術広報室の鳥居東氏が説明してくれた。
ホンダブースでは他にも、内装に天然木をふんだんに取り入れたコンセプトモデル「N-ONE NATURAL Concept」、ホンダアクセスとアウトドアブランドによる「N-BOX+ CHUMS×Honda Access コラボレーションモデル」、ホンダ純正の愛犬用アクセサリーを装備した「N-BOX+ わんこと楽しむ車中泊仕様」を展示。これらの出展車両を紹介するプレゼンテーションも行われていた。
メーカー各社が「軽キャンパー」や「バンコン」を展示
今回のショーでは、会場に軽自動車をキャンピングカーに改造した「軽キャンパー」が数多く展示され、ホンダ「N」シリーズもベース車として人気だった。
ホンダの軽自動車の受託生産も手がけている八千代工業では、同社のオリジナルキャンピングカー用品「きゃんぱち」の試作品を「N-BOX+」に付けて出展。カーテンレールやキャビネットなどで構成される「きゃんぱち」は、ベース車標準装備のユーティリティナットを利用し、ユーザー自身で着脱可能な点が特徴で、昨年末にホンダ「バモス ホビオ」用がリリースされたとのこと。
軽キャンパーとしては、ダイハツが「ウェイク」へのキャンプ用品の積載事例を紹介していた隣で、同社グループ企業のブランド「D-Craft」が「アトレー」ベースの「アトレー 楽旅」を出展していた。三菱自動車の関連会社である三菱自動車ロジテクノは、「新型ミニキャブ キャンピングカー」を出展。どちらもフラットなロングベッドや、質感の高いキャビネットが目を引いた。
一方、トヨタグループや日産自動車は、ミニバンをキャンピングカーに仕立てた「バンコン」ことバンコンバージョンを提案。トヨタモデリスタインターナショナルは、「ハイエース」をベースとしたレジャー向け・キャンプ向けの2台のコンプリートカーを紹介していた。
日産は電気商用車「e-NV200」をベースに、電気グリルや冷蔵庫、シンク付きキッチンなどを備えた「究極のスマートバーベキューカー」を参考出品。「NV350 キャラバン」に、「e-NV200」で使われているリチウムイオンバッテリーを搭載し、エアコンや大型オーブンレンジ、大画面テレビなどを装備したコンセプトモデルも展示された。
キャンピングカーというと、「軽キャンパー」や「バンコン」の人気が近年高まってきたとはいえ、まだまだトラックやバスをベースとした大きな車両を連想しがち。だが、おなじみの車種を使った自動車メーカー関連各社の展示内容は、キャンピングカーというカテゴリーをぐっと身近なものとして感じさせてくれたように思えた。