生活者の意識・実態に関する調査を行っているトレンド総研は、東京23区・大阪市・名古屋市・福岡市・札幌市の全国五大都市に在住する20~40代の女性500人と美容師100人を対象に行った「『地肌』に関する意識・実態調査」の結果をまとめた。

調査は、2014年12月19~25日の間、楽天リサーチを通じてインターネットで行われた。 その結果、20~40代の女性500人のうち「自身の地肌がかたい」と感じている人は「かたいと思う」(21.4%)、「どちらかというとかたいと思う」(49.8%)を合わせて約7割にのぼった。また、美容師のうち約8割が、女性客の地肌が「かたい」あるいは「凝っている」と感じた経験があると回答した。

一方、美容師に地肌の凝りの原因として考えられることを挙げてもらったところ、最も多かった回答は「ストレス」(68.0%)。次いで、寒い冬の時期には特に気になる「冷えや血行の悪さ」(53.0%)、「肩・首のこり」(52.0%)、「睡眠不足」(44.0%)、「食生活」(41.0%)「姿勢の悪さ」(29.0%)、「長時間のパソコンの使用」(29.0%)、「長時間のスマートフォンの使用」(26.0%)など、ふだんの生活習慣や生活環境に関する項目が並んだ。

これに対し、地肌の凝りを感じている人に実際の生活習慣・環境に訊ねたところ、「姿勢が悪いことが多い」(90.6%)、「長時間同じ姿勢で作業をすることが多い」(87.8%)などに加え、「スマートフォンを長時間使用している」、「肩こりに悩んでいる」、「ストレスを感じる出来事が多い」、「冷え性」などの回答が、地肌がやわらかいと自覚している人に比べて高い確率であることがわかった。

また、地肌の凝りを感じている人のうちの52.2%が「パサつき・乾燥」、47.8%が「くせ毛・うねり」、36.0%が「白髪」を髪と地肌の悩みとして回答。93.0%の美容師が、地肌に悩みや問題を抱えている女性客が髪の悩みも同時に抱えていると実感していると答えた。さらに、それを裏付けるように91.0%の美容師が「地肌のやわらかさは髪の健康や美しさに影響を与える」と述べている。

こうした地肌の凝りに悩みを持つ女性に対して、「地肌をやわらかくしたいと思いますか?」と訊ねた質問には、79.6%が「思う」と回答。69.8%が「地肌をやわらかくするためのケアを取り入れたいと思う」と答えた。そこで実際に美容師におすすめの地肌ケアの方法を訊ねたところ、「手で地肌のマッサージをする」が65.0%が最多。そのほか「美容院・サロンで地肌マッサージを受ける」(57.0%)、「美容院・サロンでヘッドスパを受ける」(55.0%)、「自宅のシャンプー・コンディショナーを地肌ケア効果のあるものにする」(40.0%)など、プロによるケアと自分でできるケアが同時に上位に並び、二人にひとりは自宅でも地肌ケアを意識していることが分かった。

今回の調査結果について、皮膚科医の平田雅子氏は「最近の女性たちの地肌の状態を見ていると、ほとんどと言っていいほど、かたい状態になっていると感じます。かたいのは、血行が悪くなっている状態です。地肌は皮膚とひと続きになっていますから、地肌のかたさは肩コリや首コリ、眼精疲労(目のコリ)からくる人が多いと考えられます」と地肌の凝りの原因を説明。「かたい地肌をやわらかくするためには、まず血行を意識すること。前述のように、血の巡りを悪くする冷えは大敵です。また、すでにかたくなってしまった地肌をやわらかくするときには、地肌(頭)だけでなく、肩や首、背中のコリも一緒にほぐしてください。毎日髪の毛をとかす際には、きちんとブラッシングをし、シャンプーやリンスは気分がやすらぐような香りを基準に選んだり、その日の地肌の状態に合わせて、地肌ケア成分が含まれているものを取り入れてみることも効果的です」と対策を語った。

また、1998年に美容室「apish」を開業し、以後、原宿・表参道・銀座などに5店舗を出店するなど、メディアでも“カリスマ美容師”として活躍する坂巻哲也氏は「ふだんから自宅でのケアをすることも非常に大切。まず心がけてほしいのはシャンプーの方法。ポイントは、“もみながらずらす”ことで、地肌を柔らかくすることです。指の腹を使って地肌をとらえるようにして、動かすような感覚で“もみ洗い”をしてみてください」と地肌の凝り対策についてアドバイスをしている。