女優の桃井かおりが、日本とバルト諸国初の共同制作作品となる映画『魔法の着物』(2016年秋公開予定)で主演を務めることが、このほど明らかになった。

マリス・マルティンソンス監督の才能にほれ込み、「ぜひ作品に出演したい」と直々に出演交渉した桃井かおり

監督は、アカデミー賞外国語映画部門リトアニア代表作品になった『LOSS』(2009年)のマリス・マルティンソンス。桃井とは『AMAYA/邦題「雨夜 香港コンフィデンシャル」』(2011年)、『Oki - in the middle of the ocean』(2014年)に続く3作目のタッグとなり、神戸市とラトビアのリガ市との姉妹都市提携40周年を記念して制作される。また、日本とバルト諸国初の国際共同制作作品であり、神戸が姉妹都市と共同制作することは初の試みとなる。

桃井演じる主人公の日本人女性は、ある出来事をきっかけに自分の殻に閉じこもってしまい、未知の国・ラトビアのリガへと旅立つ。文化の違いに戸惑いながらも、着物を通して現地の人たちと交流を深め、次第に心を開いていく彼女。さらに行方不明になっていた夫との再会などさまざまな経験を重ねて、見失っていた自分自身を発見していく。

桃井は、「無抵抗で、命をかけて、独立を勝ち取ったラトビア。たった20数年前の話です」と背景に触れ、「自然災害に痛めつけられた日本人も、自分たちの手で立ち直ろうとしています」と日本との共通点を指摘。本作を「神戸からリガに流されるように行き着いた主人公が経験する奇跡は、失った愛しいモノを取り戻す旅なのかもしれません」と読み解き、「ラトビア人と今のこの日本人だからこそできるお伽噺(とぎばなし)が、きっと作れるんじゃないかと思っています」と期待を寄せている。

撮影は、8月15日からラトビアの首都・リガでスタートし、10月より神戸での撮影を予定している。