豊田通商、岩谷産業、大陽日酸の3社はこのほど、移動式水素ステーションを運営する新会社「日本移動式水素ステーションサービス」を設立したと発表した。

水素ステーションは、自動車各社の燃料電池自動車(Fuel Cell Vehicle:以下 FCV)の販売開始に伴い整備が進められており、日本政府は2015年度内に100カ所程度に増やす目標を掲げている。現在、全国で7カ所が開業しているが、FCV需要の高まりに合わせて供給拠点の拡充が求められている。

こうした状況を踏まえ、3社は、水素ステーションの運用場所不足が懸念される時期において水素を供給する運用場所を拡充すべく、移動式水素ステーションの設置・運営を共同で行う事で合意。同事業において、豊田通商は新会社の事業運営管理、岩谷産業と大陽日酸は水素供給設備の製造、および新会社への水素供給と現場管理を行う。資本金は3,000万円で、各社が3分の1ずつ出資する。

移動式水素ステーションの特徴は、定置式に比べ敷地面積が3割程度で済むことや、建設工期が6割程度で済むことから、特に都市部における水素供給拠点として期待されている。

新会社は、2015年3月下旬を目途に、東京都千代田区で商業用の移動式水素ステーションとしては日本初となる営業を開始。今後は都内1カ所、愛知県でも2カ所で開設する予定で、愛知県庁の水素ステーション啓発事業への参画も計画している。