ALSOKはこのほど、「空き家に関する意識調査」の結果を発表した。同調査は、同社が2012年10月より、空き家や別荘、セカンドハウスなど、常に人が住んでいない住宅の見回りサービスを実施していることと、いま空き家が社会的な問題となっていることをうけて実施されたもの。1月10日~12日、全国の親と別居している30歳以上の男女を対象として行われ、500名の回答を得た。

空き家は身近な存在になっている

「近所に空き家がある」は3人に1人

「家の近所の空き家の有無」を聞いたところ、33.2%が「近所に空き家がある」と答えた。2014年に総務省が発表した「平成25年住宅・土地統計調査」によれば、2013年時点の空き家率は13.5%と過去最高を記録しており、「空き家問題」が身近な存在であることがうかがえた。

約半数が「空き家にネガティブイメージ」を持っている

「家のまわりにある空き家についてどう思うか」を聞いたところ、3割程度が「もったいない」と感じていた。また、「不安だ」「危険だ」「汚い」と不快に感じている人は45.8%となり、空き家が歓迎されていないことがわかった。

近所の空き家を「とくに何とも思わない」人は4割未満

ネガティブイメージを持っている人に「その理由」を尋ねたところ、「物件が老朽化して倒壊する恐れがあるから」(66.1%)、「伸びた庭木や落ち葉を放置しているから」(53.6%)、「不審者が住み着くかもしれないから」「放火されるかもしれないから」(各44.6%)などとなり、近所に空き家があることで、自分や家族にも危害がおよぶことを懸念していることがわかった。

「空き家をどう管理してほしいか」については、「家の保全や清掃などの管理をきちんとしてほしい」「賃貸物件にして、誰かに住んでほしい」「取り壊して更地にして、土地を活用してほしい」など、きちんとした管理や空き家の解消を求める声が多く寄せられた。

自分が長期不在にする場合は「空き家にする」が3人に1人

長期不在になる場合、自宅は「空き家にしておく」が3人に1人

しかし、持ち家がある人に対し、「転勤や親の介護などで、住んでいる家を長期間留守にする必要がある場合、どうするか」と聞いたところ、「貸す」(38.5%)に続き31.4%が「そのまま空き家にしておく」と答えた。理由を聞いたところ、「いつかまた住む予定だから」「手続きが面倒だから」「今後どうするか決めていないから」などがあがった。

親が亡くなった後、家は「相続しなかった」が約4割

「親の住まい」について聞いたところ、13.2%はすでに親が亡くなっており、存命中の人を含めた持ち家率は87.8%だった。

親の死後、実際には家を相続しなかった人が多い

「親が亡くなった後、親の持ち家をどう活用する/したか」という質問に対し、「親が存命中」の人は「売る」「相続しない」「引っ越して自分が住む」となった。対して「すでに親が亡くなっている」人では、「相続しなかった」が36.5%で1位。以下「売った」(22.7%)、「引っ越して自分が住んでいる」「取り壊した」(各12.1%)と続き、親が住んでいた家は「相続しない」場合が多いことが明らかになった。

将来、空き家に住むなら「広い庭のある家」に住みたい

「空き家に住みたいと思うか」を聞いたところ、積極的に「住みたい」と回答した人はわずか2.2%だったが、中古住宅の「リノベーション」が流行していることで、新築以上にスペックの高い中古住宅もあるため、53.4%は「条件が合えば住みたい」と考えていた。

「どんな条件があれば住みたいか」については、「税金が優遇されれば」「改修等のための補助金が出るなら」などの声があった。また、「どんな物件であれば空き家に住むことが理想か」を聞いたところ、「広い庭のある家」(48.5%)、「築年数の浅い家」(31.6%)、「中古マンション・アパート」(39.2%)の順となった。