CP+2015のエプソンブースでは、メガネ型ウェアラブルデバイスのスマートグラス「MOVERIO」や、お約束のプリンタ展示のほか、デジタルカメラ向けの高精細な電子ビューファインダーパーツを展示していた。

スマートグラスのMOVERIOは多くのデモ機を用意しているものの、常に数十分待ちと人気だった。また、写真とのコラボレーションとして、西野壮平氏の「Diorama Map"Amsterdam"」の画像をキーとしたデモも行われていた。

スマートグラスのMOVERIOがすぐ目に入るブース構成となっており、かなりの面積を占めている。CP+の二日目(金曜日)でも30分超の待ち時間があった

通常の体験コーナーとは別に用意されたMOVERIO。奥に見える「Diorama Map"Amsterdam"」の制作風景などがMOVERIOに表示される(撮影禁止なので作品は意図的にボカしている)

プリンタに関しては、2104年11月に発売された、エプソンプロセレクション「SC-PX5VII」を中心とした展示だ。SC-PX5VIIは、プロ写真家やアマチュア写真愛好家向けのA3ノビ対応モデルで、モノクロだけで4本のインク(ライトグレー、グレー、ブラックまたはマットブラック)を使用しているのが特徴だ。エプソンプロセレクションシリーズのプリンタは写真印刷の表現力に定評があり、このジャンルのプリンタでは他社をリードしている。また、自社用紙だけでなくサードパーティ用紙のサンプルも展示し、作品を仕上げるための製品としてアピールしていた。

ハイアマチュアやプロ向けのインクジェットプリンタ「SC-PX5VII」。EIZOのカラーマネジメント対応ディスプレイ「ColorEdge」とのカラーマッチング環境において、実際の出力を見ることができた

黒だけで4本のタンクが見える。ブラックとマットブラックは排他利用なので、実際には黒を三種類の濃さで使い分ける仕組み。マゼンタではなくビビッドマゼンタにすることで、光源による見え方の差を減らしているという(写真左)。SC-PX5VIIで採用された新インク「Epson UltraChrome K3インク」の特長パネル(写真右)

サードパーティの用紙を使った作例展示も

微細&高精細な電子ビューファインダー「ULTIMICRON」

エプソンは、精密部品メーカーとしても世界有数の企業だ。CP+のブースでは、電子ビューファインダー「ULTIMICRON」を強くアピールしていたのも印象的だった。現在、0.48型236万ドットの電子ビューファインダーを搭載したカメラが市販されているが、さらなる挑戦として、4つの参考展示とデモが行われていた。

参考展示は、大きさへの挑戦として0.3型のディスプレイ(解像度はVGA)、より精細な表示としてSXGA(441万画素)、色再現性の向上、高fps(120fpsで従来の60fpsから2倍)が行われており、すべて実際に確認できるものであった。

そして「電子ビューファインダーは表示の遅延があるのでは?」という懸念を払拭するため、実際に動いている物体を撮影し、電子ビューファインダーでリアルタイムに見られるデモがあった。見た範囲でいえば、ほとんど遅れのない映像を表示できている。

スマートグラスのMOVERIOも、エプソンの極小ディスプレイ技術がなければ実現できなかった。極小ディスプレイの今後について、紹介展示が行われていた

現行の製品となる0.48型のSVGA製品。実際にのぞき込んで確認できる

次世代製品に向けての技術デモ。これらはすべてCP+2015で初公開となったもの

極小ディスプレイを利用したカメラの紹介(右)と、大きさへの挑戦となる0.3型の参考出品。よく見ると「映像展示中」と書いてある

本当に動画が表示されていた! まさに極小の世界だ

「電子ビューファインダーは表示が遅延するのでは?」を払拭するデモ。実際のデジタルカメラと同じような処理を行ったファインダー画像を片目で見つつ、別の目で実際の動きを確認。ズレ(表示遅延)の少なさを実感できた