いつも手元にあるiPhone、みなさんはいつ、どんなことに、どんなふうに使っていますか? 人によって使い方は様々。いろいろな人を訊ねて、日頃どんなふうに活用しているのか、お話しをお聞きします。
クックパッドは生活の一部
今回訪ねたのは、料理レシピ投稿・検索サイト『クックパッド』のユーザーさん。クックパッドは月間利用者数5,042万人、掲載レシピ数192万件以上(2014年12月時点)という国内最大のレシピサイト。数だけでなく、PCやスマホ初心者にも使いやすい優れた設計で技術的にも評価の高いサービスです。
お話しをお聞きしたのは、sachi825さんと、COCOん家さんのお二人。お二人ともバラエティ豊かなレシピを掲載し、たくさんの「読者」を持つ人気レシピ作者さんです。毎日のようにクックパッドを使っているというお二人ですが、日頃どんなふうにサービスを利用しているでしょうか。
sachi825さんのキッチン。700件を超えるレシピを掲載 |
COCOん家さんのキッチン。写真や図解を使った丁寧なレシピが特徴 |
sachi825さんは、もともと紙のノートを使って自分のレシピ帳を作っていたという、根っからの料理好き。クックパッドはその延長で使い始めたそうです。
sachi825さん 「ほとんど自分のメモ帳として使っています。野菜が好きで、珍しい野菜は何冊かの野菜辞典で調理法や保存法を調べてレシピを考える時の参考にしたり、調べたことを自分なりにまとめて『ごはん日記』に書いたりしています。」
クックパッドはパソコンから利用することが多いと言うsachi825さん。iPhoneは思いついた時にレシピの下書きをしたり、閲覧やつくれぽ(レシピを見て作った人が、レシピページに写真+ひとことを投稿できる「つくりましたレポート」の機能)の返信など、PCの前にいない時に活用しているとのこと。ご自身のブログも毎日のように更新しているそうで、クックパッドと共に生活の一部になっているようです。
COCOん家さんは、主に週末にまとめてパソコンで編集するスタイル。終わらなかったものは下書きに保存しておき、平日の通勤中などにiPhoneから手を加え、工程の文章を推敲したり順序を入れ替えたりしながら完成させるそうです。
COCOん家さん 「一つの工程に文字数制限があるので、全体が長くなってしまいがちなんです。その中でどうすればスっと伝わるか、ということを考えています。」
手順に写真や図解を加え、短い文章でも伝わりやすいよう工夫されているCOCOん家さん。似たような材料でできるレシピを併せて紹介したり、「話題入り」や「献立」に採用されたことも追記していくなど、1ページの情報量が多いのもCOCOん家さんの特徴です。
さらに、クックパッドにスーパーのセール情報が届く「特売情報」機能も活用中。自宅近くと職場近くの2カ所のスーパーを登録し、毎日のお買い得情報を見比べて買い物に活用しているそうです。
お二人とも、書いたレシピはそのまま放置せず、時々見返して工程の説明をブラッシュアップしたり、いい写真が撮れたら差し替えるなどのメンテナンスをしているとのこと。料理への愛情から生まれるていねいなレシピづくりが、多くのファンに読まれる秘訣のようです。
iPhone、毎日こんなふうに使っています
クックパッド以外では、どんなことにiPhoneを使っているのでしょうか。sachi825さんは、SNSやブログのチェック、目ざましや地図アプリなどを日常的に活用しているとのこと。また、資格試験の勉強では「ボイスメモ」を活用したそうです。
sachi825さん 「覚えたい内容を録音して、繰り返し聞いて暗記に使いました。中学生の息子といっしょに英語のラジオを聞いて自分も復習したりしてます。」
カメラアプリも日頃から使っているものの、うまくボケ味が出せないのが悩みどころ。レシピに載せる写真はボケ味がほしいので、愛用のデジカメを使って撮影し、パソコン経由でアップロードしているそうです。
COCOん家さんも検索やSNS、電子書籍など、様々な用途に活用中。最近凝っているのは食材の在庫管理をする『食材キーパー』というアプリ。家にあるものを把握して、ムダのない買い物や献立づくりに役立てているというマメさです。
COCOん家さん 「冷蔵庫の中がゴチャついていて、埋もれているものを忘れて買ってしまうんですよ。それをなんとかしたくて、アプリを探して使い始めました。冷蔵庫に入れるもの以外も管理できるので助かります。楽しいですよ!」
カメラも頻繁に使っていて、iPhoneを使い始めてからデジカメをほとんど使わなくなったというCOCOん家さん。ただ、sachi825さんと同じくボケ味がうまく出せないことや、写真の上に文字を載せる加工方法など、レシピに写真を載せる方法については試行錯誤中だと言います。
お悩み解決アプリはコチラ!
『AfterFocus』撮影した写真の上に手書きで範囲を指定し、ボケを加えられる加工アプリ。マニュアルモードなら背景・中間・フォーカスの三段階が設定でき、ボケの強さも調整が可能です
『Over』写真に文字やアートワークを重ねるアプリ。文字はアルファベットのみですが、多彩なフォントを収録。サイズ、色、角度、透明度などを編集でき、簡単にスタイリッシュな仕上がりになります
メディアとしての可能性を探るクックパッド
お二人のように積極的にレシピを掲載している人から、検索サイトでレシピを探してアクセスする人まで、多様な使い方があるクックパッド。情報環境が大きく変化している現在、どんな取り組みを行っているのか、広報室の尾崎真佐子さんにお聞きしました。
尾崎さん 「現在、全体の利用者のうち約7割がスマートフォン、約3割がパソコンからご覧になっています。スマートフォンからの利用者が急増しているため、パソコンからの利用比率は相対的に下がっていますが、数は微増している状態です。」
スマートフォンからの利用者3414万人のうち、アプリは860万人でその他はブラウザからのアクセス。検索サイト経由やニュースサイトに掲載された情報からのアクセスも多いそうで、アプリの利用を特に推奨すような方針ではないとのこと。
尾崎さん 「とにかくユーザーファーストで、アプリに特化したりスマートフォンのブラウザに特化するということではなく、どこから来ても同じサービスが利用できる、ということを重視しています。ただ、いろいろと増えてきた機能を使いやすくするために、スマートフォンのトップページについてはこまめにリニューアルをしています。」
昨年からはクックパッドの"メディア化"への取り組みが本格化。もともと、レシピとつくれぽの投稿による料理コミュニティとして運営されてきましたが、これからは主体的に食の情報を発信したり、食に対する提案をしていけるメディアとしての役割を目指して、取り組みが続いています。
尾崎さん 「最近は『クックパッドニュース』もPV数が増えてきました。一昨年から昨年にかけては、"塩レモン"や"ジャーサラダ"といった新しい食の情報発信ができたかと思います。広報にも問い合わせが増え、テレビや新聞などへの露出も増えました。」
人気のあるレシピ作者さんをフィーチャーしていくこともその一環として行われており、料理の楽しさを伝えてくれるレシピ作者さんのグループ『レシピエール』(「レシピ」+フランス語で女性表す接尾辞「エール」をつけた造語)の方々が、テレビや雑誌などへの出演や記事執筆で活躍されています。今回ご登場いただいたsachi825さんとCOCOん家さんもレシピエールのメンバー。さらに、テーマごとに人気のレシピを集めた本も多数出版し、好評を得ています。
尾崎さん 「累計で70万部くらい売れた本もあります。紙の本を出すことについては社内でも様々な意見が出ましたが、結果として、コンビニなどでも目に入り、日頃クックパッドをお使いでない方にも知っていただく機会になったので、ブランドの認知度アップにつながったと思います。」
以前は技術的な面で注目される機会が多かったクックパッドですが、現在はそれに加えて大きなコンテンツと、作ること・食べることが好きなユーザーというプラットフォームを持つメディアとして、可能性を伸ばしつつあります。
クックパッドで一番『つくれぽ』の多いレシピにチャレンジ
クックパッド全レシピの中で、つくれぽ数No.1の「◆りぴ・りぴ㊙チョコレートケーキ◆」が料理動画で紹介されました。実はクックパッドで最もアクセス数が多い時期は、お正月でもクリスマスでもなくバレンタインなのだそうです。特に10代女性の手作り友チョコ需要が多いのだとか。今年、手作りを予定している方はこちらにチャレンジしてみては? 確かにこれは、できたら人に自慢したくなりそう!