というわけで、続いてはモデル部門の表彰だ。

  • ベスト・オブ・アドバンストクラス:HELIOS(画像28)
  • ベスト・オブ・アドバンストクラス:ぶっこみライダーズ(富士ゼロックス(株)/南関東)(画像29)
  • ベスト・オブ・ソリューション:追跡線隊HiICSレッド(画像30)
  • ベスト・オブ・アプローチ:あんたま

ベスト・オブ・アドバンストクラスは2チーム同時受賞となった。HELIOSは2010年代前半のモデル部門のお手本とされてきたチームの1つであり、世代交代してもこうして受賞してくるところは社内でのノウハウの継承がきちんと行われている証しだろう。ちなみにHELIOSもまた東海のチームであり、D部門すべて東海が制した形だ。一説では、東海地区が強いのはトヨタ自動車を頂点とする自動車関連産業が多いからとされる(いずみんのMHIエアロスペースシステムズは少し違うかも知れないが、HELIOSのアドヴィックスもR3-D7のデンソークリエイトも自動車系)。また、そのHELIOSと同時受賞したぶっこみライダーズのメンバーはETロボコン初心者ばかりだったそうで、それでいながらHELIOSとのベスト・オブ・アドバンストクラスの同時受賞は誇っていいだろう。

ベスト・オブ・ソリューションの追跡線隊は東京地区の名物チームで、今年は遂に新色を加えて5人(チーム)体制となり、5色がそろった。レッドはずっと伝統として参加しているチームの1つで、戦隊のリーダー(正確にはレッド以外がリーダーを務めた戦隊もあるけど)ということで、毎年上位入賞の期待をかけられて送り出されているそうである。とはいっても、チーム名こそ踏襲されているが、ETロボコン初参加の若手8人で挑んでおり、プレッシャーのかかる中期待に応えて、仕様未確定エリアに対する設計が評価されてベスト・オブ・ソリューションを受賞した(競技も4位)。そしてあんたまの3人組は前述したように個人参加で、なおかつこちらもまた初参加だそうである。意外と、初参加だったり、チームとしてはこれまでも参加していても2014年のメンバーはETロボコン初挑戦というチームがAクラスでもチラホラ見受けられることには、Pクラスでもいいはずなのに果敢で感心させられる。

ともかく、あんたまはETロボコン初参加でなおかつ難度の高いAクラスにおいて競技で準優勝、その上でモデル部門でもNXTrikeの性能を引き出す設計が評価されてベスト・オブ・アプローチを受賞したのはすばらしい。個人でもここまでやれるというのを披露した形だ。

画像28(左):HELIOSのメンバー。前身のAdonis時代も含め、ETロボコンで歴代最も優勝回数の多いチームで、筆者も優勝者インタビューで過去に2年連続で話を聞いている。モデルに関しての評価が非常に高く、競技部門は優勝こそならなかったが、ベスト・オブ・アドバンストクラスを受賞したのはさすがというところ。画像29(中):ベスト・オブ・アドバンストクラスをHELIOSと同時受賞したぶっこみライダーズのメンバー。ETロボコンの初心者5名で構成されており、本来ならPクラスでもよかったはずだが、果敢に挑戦した結果である。本来、「ぶっこみ」とはあまりいい意味では使われていない俗語だが、同チームでは「失敗を恐れず挑戦し続ける」という意味で使っているのだそうだ。画像30(右):追跡線隊HiICSレッドのメンバー。2013年大会まではチーム名に「Hi」がついていなかったが、今年はコスチュームも一新され、5色そろってパワーアップしたのでチーム名もパワーアップした。競技は惜しくも4位だったが、ベスト・オブ・ソリューションを受賞し、新人ばかりでAクラスに臨んで検討したといえるだろう