続いては、D部門Aクラス。全15チームの地区別の内訳は、北海道が1、東北が2、北関東が1、東京が4、南関東が1、東海が2、北陸が1、関西が1、中四国が1、九州が1、沖縄が0という具合だ。こちらもコースレイアウトを再掲載しておく(画像15)。
同クラスはとにかく、1周するだけでも長丁場の上、難所のレベルが高いことも説明した通りだが、初めて見た感想を述べると、特に最高速仕様のギア比を選択したNXTrikeのメインストレートの速度が、当たり前だがNXTWayとは桁が違う感じで、スピード感がなかなかだった。1周回ってきてメインストレートに出てからの伸びがタイム短縮には重要そうなので(コーナーの立ち上がりの加速力も重要そうだが、最高速の方がタイムに影響しそう)、最高速仕様の方がタイムを出すのにいいのではないだろうか? また、難所のレベルが高いので、特にジャンプ台はそのクリアの仕方がダイナミックだった。難所のクリアの様子は、後ほどお伝えする。それではまず、走行タイムのイン、アウト、トータルから。
走行タイム
インコース
- 1位:32.7秒 HELIOS(アドヴィックス/東海)
- 2位:35.9秒 ごばりき2014(日立オートモティブシステムズ/東京)
- 3位:38.1秒 BEACON02(アイコム ETロボコン部/東京)
- 4位:41.9秒 R3-D7(デンソークリエイト/東海)
- 5位:45.3秒 追跡線隊HiICSレッド(日立産業制御ソリューションズ/東京)
アウトコース
- 1位:26.5秒 Champagne Fight(リコーITソリューションズ ES事業部 札幌事業所/北海道)
- 2位:50.4秒 JEMINI(ジェイテクト/関西)
- 3位:57.7秒 Joker艮(東北大学大学院 情報科学研究科/東北)
- 4位:65.8秒 R3-D7
- 5位:81.0秒 あんたま(個人/北関東)
トータル(イン+アウト)
- 1位:107.7秒 R3-D7
- 2位:137.6秒 あんたま
- 3位:146.5秒 Champagne Fight
- 4位:152.7秒 HELIOS
- 5位:155.9秒 ごばりき2014
インもアウトもリタイヤしたチームも多かった中、「R3-D7」と「あんたま」のみがインもアウトもそろってゴールしており、トータルで1位と2位となっている(画像16・17)。惜しむらくはChampagne Fightだろう(画像18)。「たら・れば」の話をしても仕方がないのだが、アウトで唯一の20秒台を記録したように、もしインでも20秒台でゴールできていたら、トータルでぶっちぎりのトップタイムだったはずである。
そして以下は、リザルトタイムのインとアウト(トータルは後ほど)、ゴールの成功率、各難所の成功率などだ。なおフライングに関してもチェックされていたが、こちらは全チームがちゃんとスタートを切っている。また、難所は挑戦する順番がチームごとに異なるため、パーセンテージは全チームの内の成功した割合だ。
リザルトタイム
インコース
- 1位:-4.1秒 ごばりき2014
- 2位:8.1秒 BEACON02
- 3位:15.3秒 追跡線隊HiICSレッド
- 4位:21.9秒 R3-D7
- 5位:32.7秒 HELIOS
アウトコース
- 1位:-53.5秒 Champagne Fight
- 2位:-19.6秒 JEMINI
- 3位:-12.3秒 Joker艮
- 4位:-4.2秒 R3-D7
- 5位:11.0秒 あんたま
ゴール・難所成功率
- ゴール成功率(全15チーム)
- イン:6チーム(40%)
- アウト:5チーム(33.3%)
イン難所成功率
- FLターン:4チーム(26.7%)
- モーグル:6チーム(40%)
- 直角駐車:1チーム(6.7%)
アウト難所成功率
- 仕様未確定:7チーム(46.7%)
- ジャンプ:6チーム(40%)
- 縦列駐車:1チーム(6.7%)
CS大会にも関わらず、ゴールの成功率の低さや各難所のクリア率から見て、どれだけ難しかったかがご理解いただけたことだろう。インとアウトで走行タイムやリザルトタイムの顔ぶれが少し異なることからもわかるように、両方揃ってゴールするだけでも大変なのだ。各難所にトライしている様子は、以下の通りだ。インはFLターン(画像19)、モーグル(画像20)、直角駐車(画像21)。アウトコースは仕様未確定エリア(画像22)、ジャンプ台(画像23)、直角駐車(画像24)。見た目の派手さでいくと、一番は仕様未確定エリアよりもジャンプ台で、そのまま坂を上って飛び出そうとしても、意地悪な前輪の落とし穴があるので、ウィリーしないとならないのだ。これは、運営サイドでも「まだ実現していない」とパンフレットにあり、各チームが試行錯誤で実現した技である。ちなみに、ジャンプ台はもしかしたら、落とし穴があってもなくても、ウィリーして降りた方が安全かも知れない。
というわけで、初開催のD部門Aクラス、いかがだっただろうか。2015年からはEV3への切り替えが始まるわけだが、おそらく、2014年に参加し、2015年も参加するというチームはそのままNXTrikeで参加することだろう。新規参戦のチームはEV3のトライク型走行体で参加すると思われるが、まだしばらくはノウハウを獲得するための試行錯誤が続くことだろう。