"サクッ"がよみがえる「リクック」機能

「リクック熱風オーブン FVX-M3A」。従来機種の「ノンフライ熱風オーブン」は、新製品の発売後も併売していくとのこと

アイリスオーヤマは2月12日、熱風で食材を加熱する調理家電「リクック熱風オーブン FVX-M3A」を発表した。発売は2月28日。価格はオープンで、推定市場価格は39,800円から49,800円前後だ。

リクック熱風オーブンは、同社が2014年4月に発売した「ノンフライ熱風オーブン」の後継モデル。熱風によって揚げ物や焼き物などを自動で仕上げる。いわゆる"ノンフライオーブン"や"コンベクションオーブン"と呼ばれる、油で揚げずに「熱風」で揚げ物調理を行う調理家電だ。

モーターファン(送風機)により、庫内に高温の熱風をすばやく循環させることで、熱効率の良い調理を行える。食材に当たる風速は、同社のコンベクションオーブン「FVC-D15A-W」に比べて約30倍だという。

同社のコンベクションオーブンとの比較。高速熱風を循環させる「リクック熱風オーブン」の場合、予熱が不要だ。食材を裏返す必要がない点も特長

コンベクションオーブン従来モデルとの風速の違い

また、これまでダイヤル式で行っていた温度調整やタイマー設定がデジタルに。温度は60℃から200℃の範囲で10℃刻み、タイマーは30秒から30分の範囲で30秒ごとで設定できる。さらに「自動調理メニュー」6種類、「リクックメニュー」8種類のメニューを、ボタンを押すだけの操作で調理可能だ。加熱時は庫内の温度センサーにより、調理時間と温度を自動調整して、調理する量にかかわらず最適な温度と時間を設定してくれる。

「リクックメニュー」とは揚げ物の温め直し用機能。天ぷらやフライなど揚げ物メニューの"サクッ"とした食感をよみがえらせる。それと同時に、余分な油分をカットする効果もある。

外形寸法はW341×D325×H345mmで、重量は9.8kg。庫内寸法は一般的なオーブンレンジの約16Lに相当する。消費電力は1,430Wだ。フライ用受け皿、フライ用網、オイルスプレー、オリジナルレシピブックが付属する。

一新された操作パネル。フライヤー、トースター、上グリルの切り替えや自動メニューなどがワンタッチで可能に

自動調理の仕組み。庫内のセンサーで温度を感知し、料理と量に合わせて、温度と時間を調整する。そのため、スタート時の調理時間はあくまでも目安で、運転開始後にも微調整される

一人暮らしでも導入しやすい

「幅広い層の方に使っていただきたい」と語った、アイリスオーヤマ 調理家電事業部 副事業部長の紺野聡氏。「大容量タイプなどについても今後検討していきたい」との意向も明かした

アイリスオーヤマは新製品の発表に合わせて、製品説明会を開催した。アイリスオーヤマ 調理家電事業部 副事業部長の紺野聡氏によると、リクック熱風オーブンは一人暮らしから家族世帯まで、幅広い層のユーザーを想定しているとのこと。

紺野氏は「油で揚げずに揚げ物を作れる調理家電は人気が高いが、一人暮らしの場合などは設置する場所がない、との声も多い。しかし、リクック熱風オーブンは通常のオーブントースターとそれほど変わらない大きさなので、オーブントースター感覚で取り入れてもらえる」と自信を見せた。また、リクック熱風オーブンでは庫内灯を採用しており「調理中に扉を開けなくても、庫内の様子が確認できる」という点もポイントとして挙げる。

リクック熱風オーブンは、トースターと上グリル用の石英管ヒーターを上下に各2本、フライヤーとリクック機能用の渦巻状シーズヒーターを上部に搭載している。暖房器具にも使われるシーズヒーターは遠赤外線ヒーターの一種で、全体を包み込んでジワっと熱を浸透させる効果を持つ。例えば「焼き魚を調理すると非常に美味しい」(紺野氏)とのことだ。

"リクック"機能で温め直し中の唐揚げ。庫内灯で稼動中も中の様子がしっかり確認できる

庫内の様子。上下各2本の石英管ヒーターに加えて、上部にシーズヒーターも備える

フライヤー/リクックモードの加熱の仕組み

オーブン/トースターモードの加熱の仕組み

上グリルモードの加熱の仕組み

料理研究家・ヤミーさんによる調理実演

発表会には、レシピブック作成に協力した料理研究家のヤミーさんも登場。ヤミーさんが日頃から謳っている「3ステップクッキング」による、簡単・時短メニューの調理実演が行われた。

料理研究家のヤミーさん

ヤミーさんによる"殻付き海老のグリル風"の調理実演デモと調理サンプル

リクック熱風オーブンのヤミーさんオススメポイントは3点ある。1つめは、揚げ物をしているとき付きっきりでなくてもいい点。ヤミーさんは「セットした後は全部オーブンにお任せなので、あとは別の調理に取り掛かれます」と語る。2つめは、油の処理が不要だという点。「油は食材にちょっとふりかける程度なので、そのあとの面倒な処理が必要ありません。使う油が少量でもおいしくできるのもメリット」とのことだ。そして最後は、"リクック"、すなわち再調理できる点。「揚げ物の温め直しがサックリと美味しくできて電子レンジとは比べものになりません」とヤミーさんは解説した。

そのほか、「網や受け皿がすべて外れるので掃除がしやすい」「見た目は頑強そうなのに、思ったよりも本体が軽くて、お手入れする際にも便利」などと、ひと足先に使用した感想を語った。

自動調理メニューによるハンバーグ。調理用網にギッシリ並べて作られたとのことだが、しっかり中まで火が通っていた

"リクック"機能で温め直したから揚げ。表面はカリっとしているのに、中は非常にジューシー。余分な油が網の下の受け皿に落ち、カロリーカットできるのも魅力

製品の内部。扉の開閉も軽快

揚げ物調理には、フライ用の網と受け皿をセットして使用する。約22cm四方で、一度に大量の調理ができる

トーストなど、油分が落ちないメニューの調理には右にある銀色の網のみを使用する。網は、一度に食パン4枚を並べられる大きさだ。このほか、レシピブックとオイルスプレーが付属する