縁結びの神様といえば島根県の「出雲大社」が有名だが、おとなりの鳥取県にある「白兎(はくと)神社」も人気を集めているのだとか。縁結びのご利益を求めて訪ねてきた。

縁結びの神様としても知られる「白兎神社」(鳥取県鳥取市)

白兎神社は、神話「因幡の白うさぎ」の舞台ゆかりの神社。「大兎大明神」あるいは「兎の宮白兎大明神」といわれ、古事記・日本書記にも記される由緒ある神社なのだそうだ。

境内には神話に登場する「蒲」や「身洗ノ池」も

鳥居のそばには大国主命と白うさぎのモニュメント

因幡の白うさぎは、ワニザメをだまして体中の毛をむしり取られ丸裸にされてしまった白うさぎの神話。

白うさぎは八十神(やそがみ)に「海水で体を洗って山の頂上で乾かすとすぐ治る」と嘘をつかれ、傷だらけになってしまう。哀れに思った大国主命(おおくにぬしのみこと)が「川の真水で体を洗い、川岸の蒲(がま)の穂の上でゆっくり休みなさい」と教えたところ、うさぎの肌にはフワフワと白い毛が生え、もとの白うさぎに戻ることができたという。

この神話から、神社が皮膚病ややけどなどに効くとして信仰されてきた。また、白うさぎは大国主命と八上姫(やかみひめ)の縁を取りもった、縁結びの神様としても人気がある。

鳥居をくぐって左手には大国主命と八上姫、白うさぎの「砂像(さぞう)」がある

境内では、白うさぎが体を洗ったという「身洗ノ池(みたらしいけ)」や体をくるんだといわれる「蒲(がま)」も見ることができる。

白うさぎが体を洗ったといわれる「身洗ノ池」

白うさぎが体をくるんだとされる「蒲」

参道沿いのうさぎの像がかわいい

鳥居をくぐって参道を進むと、道沿いにさまざまなポーズのうさぎの像が見える。跳びはねたり走ったり立っていたり、一つひとつがかわいらしい。

参道沿いにはうさぎの像

「縁」と書かれた「結び石」

よく見ると、それぞれ足元には「縁」と書かれた石も積まれている。これは社務所で販売されている「結び石」(一袋5個入り500円)と呼ばれるものだそう。投げて鳥居に乗せて願い事が叶うように祈ったり、お守りとして持ち帰ったりできる。

さまざまなポーズのうさぎがいる

恋みくじやハート型の絵馬! うさぎグッズもかわいい

境内には、恋のゆくえを占う「恋みくじ」のほか、ハート型や神話をモチーフにした絵馬もある。掛けられた絵馬には、「結婚できますように」「夫婦円満」「良いご縁がありますように」などさまざまな恋の願いが書き込まれていた。カップルで訪れたのか、ふたりの名前を記したものも見られた。

恋のゆくえを占う「恋みくじ」

白うさぎが描かれた絵馬も

社務所には、縁結びにまつわるものやうさぎがモチーフのお守りが並ぶ。神話の白うさぎの肌が完治したエピソードから、女性にはうれしい「肌守り」やあぶらとり紙などのグッズもあった。

縁結び、うさぎがモチーフのお守りが並ぶ

さらに周辺には、道の駅「神話の里 白うさぎ」、絶景の「白兎海岸」、展望台、愛の鐘や、白兎のお告げ箱が設置された「気多ノ前展望広場」などいくつかの縁結びスポットがある。神話ゆかりの地を巡って、かわいいうさぎに恋の願いを叶えてもらっては。