日本人に人気の海外旅行先の上位に位置する国、タイ。日本企業の進出もめざましく、コンビニも多数展開されている。そんなタイのコンビニには、タイならではの商品も置いてある。そのひとつが味付け海苔だ。「味付け海苔なら日本にもあるでしょ? 」と思うかもしれないが、タイのコンビニで販売されている味付け海苔は"一味"違うのだ。

タイにはセブン-イレブンやファミリーマート、ローソンなどが展開されている

世界有数の"日本好き"な国

タイの首都・バンコクには世界でも最大規模の日本人学校があるなど、タイは"日本通""日本好き"が多い国民性をもつ。日本料理も高級料理からラーメンや丼物まで、ありとあらゆるものが日本と同じように口にすることができる。調味料や食材だって、日本式のスーパーで購入できる。お菓子だったらコンビニでも購入可能だ。

タイではセブン-イレブンやファミリーマートが展開されており、この2社の数には及ばないもののローソンもある。コンビニでは日本と同じように、お弁当やおにぎり、肉まんといったものから、シャンプーなどの日用品、雑誌やタバコなどを購入することができる。ほかにも、旅行者であればプリペードのSIMカードを購入することも可能。そして、購入できる日本のお菓子には、「ポッキー」や「コアラのマーチ」など日本でもおなじみの商品がそろっている。

お弁当やちょっとしたおかずなども手軽に買える

ポッキーやコアラのマーチは日本でもおなじみのデザインだ

暑いタイでサクサク楽しめる海苔を

さて、冒頭で触れた味付け海苔である。何が日本とは違うかと言うと、おにぎりを作る時に使うような味付け海苔ではなく、タイではおつまみのようなスナック菓子になっているのだ。味付け海苔と書いたが、日本人になじみがある味付け海苔とも、韓国海苔とも違う。一言で言えば、海苔を油で揚げていろいろな味付けがしてあるのだ。

そのため、食感はパリパリというよりはシャリシャリ。そして、口に入れると海苔の磯(いそ)の味とともに、チリ、BBQ、トムヤムクンなどの味が広がる。トムヤムクンなんかは、辛くて酸っぱくってしょっぱい味のため、それだけ食べてもおいしいが、ビールのおつまみにもぴったり。形もいわゆる板状のものから棒状のものまで、いろいろ展開されている。

一面が全て味付け海苔コーナーになっている

板状のもの。味はチリ、BBQ、トムヤムクンなど様々

棒状のもの。一見すると「うまい棒」をもっと長くしたような感じである

なぜタイ人に味付け海苔が人気なのか。その理由は、誰に聞いても「おいしいから」という答えで詳しい背景は不明。もしかしたら、タイ人の"日本好き"が影響しているのかも。とは言えその昔、タイにも日本と同じような味付け海苔はあったそう。しかし、日本のような味付け海苔は、暑いタイではしっとりベタベタしてしまうため、サクサクしているものが作られるようになったそうだ。

ちなみに、この海苔スナックの大手メーカーの創業者は、大学生の時に海苔スナックを開業。20代にして億万長者になった。この話は、タイでは「Top Story」というタイトルで映画化されている。そんなタイの人々がこぞって買い求める味付け海苔をぜひ一度、味わっていただきたい!

※記事中の情報は2015年1月取材時のもの