東京商工リサーチはこのほど、2014年「休廃業・解散企業」動向調査の結果を発表した。それによると、2014年の休廃業・解散件数は前年比8.2%減の2万6,999件となった。アベノミクス効果による景気回復機運が影響し、3年ぶりに前年を下回ったものの、過去10年間では3番目に多かった。

年間倒産件数9,731件と比べると、休廃業・解散件数は約2.8倍と高水準が続く。また、「倒産」と「休廃業・解散」の合計は2008年のリーマン・ショック以降、4万件近くで推移している。同社は「後継者難や業績ジリ貧などで事業継続を断念する企業が依然として多い」と分析している。

休廃業・解散、倒産件数 年次推移

産業別に見ると、建設業が前年比16.4%減の7,214件で最多。以下、飲食業や宿泊業などを含むサービス業他が同1.6%減の6,530件、小売業が同2.1%減の3,936件、製造業が同4.9%減の2,748件と続いた。全10産業で前年を下回ったが、零細企業が多い「サービス業他」と価格競争が厳しい「小売業」の減少幅は小さい。

地区別では、全9地区のうち7地区で前年を下回ったなか、中部は前年比1.6%増の3,757件と8年連続で増加し、東北は同7.8%増の2,006件と2年ぶりに増加に転じた。

同社は「最近の急速な円安による原材料価格の上昇で、ダメージを受けている中小企業も多いことから、『休廃業・解散』企業が増勢する懸念を払拭できない」としている。