2月20日公開の映画『花とアリス殺人事件』の女子高生限定最速試写会が10日、東京・新宿バルト9で行われ、岩井俊二監督、女優の桜井美南が出席した。
本作は、2003年にキットカット日本発売30周年に作られた岩井俊二監督のweb限定ショートフィルム『花とアリス』、2004年公開の長編映画『花とアリス』に続く長編アニメーション映画。岩井監督にとっては初めての長編アニメーション映画で、『花とアリス』の前日譚となる2人のエピソードを描く。
物語の主人公と同じ女子高生を招いて行われた試写会前の舞台あいさつに、岩井監督と"キットカット受験生応援キャラクター"を務める現役女子高生で女優の桜井美南が登壇。初めてのアニメーション映画に岩井監督は「大変ではありましたけど、やっていて楽しかったです。お話をいただいたのが一昨年の9月。あれから粛々とここまでやり続けて完成しました」と安堵した表情を見せ、「僕も中学、高校の頃に映画館まで足を運んだ映画は忘れがたい映画になっています。いつか大人になって振り返ってもらった時に、思い出してもらえる映画になっていればと思います」とアピールした。
そんな岩井監督の作品を見たという桜井は「実写版とは違った殺人事件ということですごく面白かったです。花とアリスの仲睦まじい様子も変わってなくて、共感する部分がありました。それに監督は女子高生の気持ちがすごく分かっていると思いました。どうしてですか?」と尋ねると、岩井監督は「こういう歳の娘ってこういうことするな~と、あっちこっちで見てるんですかね(笑)」と照れ笑いを浮かべていた。
桜井は岩井監督が脚本とプロデュースを手掛けた昨年放送のドラマ『なぞの転校生』(テレビ東京系)で女優デビュー。岩井監督は「何とも可哀想な役でしたよ。恋をしても相手が人間じゃなかったりと、その思いをどこにぶつければいいのかというやるせない役でしたが、イメージ以上に演じてもらってすごく良かったです」と絶賛。岩井監督に褒められた桜井は笑顔を浮かべながら「うれしいです! 三角関係っていうシチュエーションだったので、感情の変化が難しかったんですが、とても楽しかったです」と当時を振り返っていた。映画『花とアリス殺人事件』は、2月20日より全国公開。