ネパール料理と言えば、ご飯を中心にカレーや野菜などがセットになった「ダル・バート・タルカリ」が定番中の定番。そんな中、「ちょっと前に"ジャパニーズフライドチキン"がネパールにできたんだよ! 」と地元の人に教えていただいた。ジャパニーズフライドチキン!? 日本人が聞いてもピンとこないのだが……と思っていたら、店を一目見て納得した。
メニューは200円以下からそろう
ジャパニーズフライドチキン、それは"唐揚げの聖地"とも称されている大分県中津市に本店を構える「豊前中津 とよからあげ」のネパール店だった。店は首都・カトマンドゥのビジネス街にあり、周辺にはオフィスのほか学校や病院などもある。セルフサービスのファストフード形式で、出前にも無料で対応。ランチ利用のほか宴会などの料理に、また、夕食の一品にと活用方法はいろいろだ。
地元の人にうかがったところ、「とよからあげ」のネパール店はジャパニーズフライドチキンゆえに"JFC"として知られているよう。実際、店の看板には店名の下にジャパニーズフライドチキンと記されている。店は今年の元旦にオープンし、地元のメディアでも紹介されていたようだ。
2月中旬まではキャンペーン価格で提供しており、唐揚げはSサイズ149ルピー(約180円)からとお手頃。今後の価格に関してはまだ未定のようで、ニーズをみながら検討するという。また、甘辛いタレを絡めた唐揚げやタルタルソースを添えたチキン南蛮なる新メニューも登場するそう。
店内には飲食スペースも完備しており、筆者が訪れた時にはビジネスパーソンらしき人のほか、女性グループの姿もあった。「一番人気は鶏モモ肉の唐揚げで、お客さんはネパール人のほか日本人もよく見る」とスタッフは言う。フライヤーの横に並んだタイマーからも、揚げ時間をきっちり管理して確かな味を守っている様子がうかがえた。
唐揚げはクロワッサンとともに
海外の日本食では、その国ならではのオリジナル料理があるもの。もちろんこの店も例外ではない。まず、サイドメニューとしてネパールの国民食とも言える「モモ」がある。
通常モモは、水牛や鶏肉を具材にして包んだ餃子、もしくは小籠包みたいなもので、甘辛のソースをディップしていただく。しかし、こちらのモモは唐揚げ同様、カラッと揚げられている。ソースはケチャップとチリソース、そして醤油の3種類。モモ特有のもっちりした厚めの皮がパリッと揚げられており、ビールのおつまみにも最適だ。こちらもキャンペーン価格で149ルピー(約180円)である。
もうひとつ、ちょっとびっくりしてしまったのが「トヨカラクロワッサンセット」(キャンペーン価格199ルピー=約240円)。ソフトドリンクとフライドポテトに、なんと唐揚げをサンドしたクロワッサンがセットになっている。
唐揚げはクリスピータイプで、パリッとしたクロワッサンとともに軽い歯ざわりに仕上げられている。それにレッドオニオンとたっぷりのタルタルソースが添えられており、見た目以上に食べ応え十分だ。なお、ネパールでは約80%がヒンドゥー教徒ということもあってか、クロワッサンセットはベジタリアン用にアレンジすることも可能だそう。
セットメニューには他にも、唐揚げにフライドライス(焼き飯)とフライドポテトがセットになった「トヨカラセット」(キャンペーン価格159ルピー=約190円)や、唐揚げにチャオミン(焼きそば)とフライドポテトがセットになった「トヨカラチャオミンセット」(キャンペーン価格199ルピー=約240円)もあり、ネパールならではの味も一緒に楽しめるのがうれしい。
筆者は当初、店内飲食で用意してもらったが、ちょっと食べ切れなかったため「残りをテイクアウトにしてもらえますか? 」とお願いしたところ、ソースも子袋に入れて袋詰めしてくれるなど、セルフサービスとは言え一人ひとり丁寧に接客する様子にも好感が持てた。ネパールで誕生したばかりのジャパニーズフライドチキンの躍進が今から楽しみだ。
※1ルピー=1.20円で換算。記事中の価格・情報は2015年2月取材時のもの
●information
J.F.C. Nepal Pvt. Ltd.
Trade Tower,Thapathali,Kathmandu,Nepal