間もなく迎えるバレンタインデー。1年のなかでこのシーズンはチョコレートに最も注目が集まるシーズンだ。疲れた時やホッと一息つきたい時など甘くてまろやかな味わいで舌も心も癒してくれるチョコレートだが、以前は“ダイエットの敵”とされていたものの、最近では逆にカカオポリフェノールなどその成分がもたらす健康効果も謳われることが多くなった。トレンド総研の発表によれば、特に注目株のキーワードは“高カカオチョコレート”であるとのこと。

カカオには、抗酸化物質であるカカオポリフェノールをはじめ、食物繊維やミネラル分など、有用な成分を多く含むとされ、動脈硬化の防止やストレスの緩和、アレルギー症状の改善といった、様々な健康効果があるとされている。愛知学院大学心身科学部長・教授で、酸化ストレス制御食品開発の基盤的研究の第一人者として知られる大澤俊彦氏によると、カカオポリフェノールには、「血管壁をしなやかにする」、「血圧を下げる」、「HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす」といった効果が統計的に有意な結果として認められているという。さらに、これらの要素はいずれも動脈硬化の重要な原因でもあり、カカオポリフェノールには動脈硬化の防止の効果が期待されると証言する。

一方、カロリー面では「高カカオチョコレートだから太るということはない」と断言する。大澤教授の研究によると、毎日25グラムずつ、4週間にわたって高カカオチョコレートを食べ続けてもらった結果、被験者の体重やBMIに変化はなかったとのこと。ちなみに、その際のカロリーは1日あたり約140kcalで、日常生活の中で自然に摂取するこの程度の量であれば太るという影響はなかったことから、重要なのは食べる量にあると解説する。ちなみに、25グラムというのはチョコレート5片程度とのこと。「食べ過ぎない限りは太る心配はなく、健康効果があるチョコレートをふだんの食事に無理なく自然に組み合わせることができる量で取り入れていくことがオススメ」と話す。

ほか、 トレンド総研が1月7~9日に行った調査によると、今年のバレンタインデーはチョコを贈る相手として“父親”、“祖父”を挙げた人も多かった。メタボリック症候群、高血圧、動脈硬化といった高齢男性にありがちな健康問題を考える上でも、少量の高カカオチョコレートが実は有効でもあるので、今年のバレンタインデーは父親や祖父に対して高カカオのチョコレートをプレゼントしてみたい。