日本シグマックスはこのほど、「ランナーの膝の不安とその対処法」に関する調査結果を発表した。同調査は2014年10月、「大阪マラソンEXPO2014」の来場者を対象に、iPadを用いてWEBアンケートを実施したもの。1,159名から有効回答を得た。
まず「膝に痛みや不安を感じるか」を聞いたところ、約80%のランナーが膝に何らかの不安を感じていることがわかった。また「痛みや不安を感じる箇所」については、1位が「膝の外側」(23%)、2位が「膝の内側」(20%)、3位が「膝のお皿の下」(14%)という結果となった。
ランナーの膝の痛みの多くはオーバーユース(使いすぎ)に伴う障害といわれており、いわゆる"ランナー膝"として知られる「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」のほか、「鵞足炎(がそくえん)」、「膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)」などがあげられる。
「今回のアンケートでは、ランナーそれぞれが痛みを感じている箇所が異なることから、ランナー個々人により抱えている障害もさまざまであることが考察できます」と同社。
なお、今回のアンケートでは年齢・性別のほか、月間の平均走行距離(練習、大会含む)による分類・比較も行った。傾向としては月間の平均走行距離が長くなるほど、膝に「痛み・不安」を感じる割合は少なくなり、いわゆるオーバーユースとの関係性とは単純に結びつかない一面があることもわかった。
「月間の平均走行距離が長い人」を「より真剣にランニングに取り組んでいる人」または「ランニング歴が長いベテラン」と考えると、この傾向については「トレーニングによりきちんと筋力が備わっている」、「正しいフォームで負担の少ないランニングができている」などの理由が考えられる。
また、平均走行距離が長いランナーほど「テーピング」や「アイシング」といった専門的なケアを実施する割合が高いという傾向が見られた。このことから、長い距離を走り込んでいるランナーは、トレーニングの中でタイムや走力のアップだけでなく、体のケアやコンディショニングに対しても高い意識で取り組んでいることがうかがえる。