米Googleは9日(現地時間)、Webブラウザ「Chrome」の現在の安定版であるChrome 40から「HTTP/2」のサポートを開始する計画を明らかにした。これに伴いChrome 6で採用した「SPDY」のサポートを2016年前半に終了させる。
Webページを構成するデータ量が増加し、Webサーバとブラウザ間でやりとりするデータ量が増加する中で、Webサーバへのアクセスに現在広く使われているHTTP 1.1の通信がボトルネックになっている。そこでGoogleは、HTTP接続をコントロールするセッション層の処理を効率化するSPDYを開発し、2010年にChromeに組み込んだ。SPDYはGoogleのサービスサイト以外にもFacebookやTwitter、Wordpressなどで採用され、またFirefox、Opera、Safari、Internet Explorerなどのモダンブラウザにサポートが広がった。
HTTP/2はWebコンテンツの読み込みの高速化を目指したHTTPの改良版だ。SPDYも参考に多重化を導入し、レスポンスのよい通信を実現しながら、HTTP/1.1との互換性も維持している。GoogleはChrome 40で段階的にHTTP/2サポートをロールアウトする。HTTP 1.1に対するSPDYのメリットはほぼHTTP/2に含まれるため、HTTP/2対応の普及を見極めながら、2016年の早い時期にSPDYのサポートをChromeから削除する計画だ。同時にTLS拡張のNPN (Next Protocol Negotiation)のサポートも終了し、ALPN(Application-Layer Protocol Negotiation)に移行する。