スウェーデンのボルボは、スポーツギアメーカーPOCと通信会社のエリクソンとともに、ドライバーとサイクリストの相互通信による安全技術を開発した。互いの距離が接近すると、ドライバー・サイクリストの双方に警告が発せられ、衝突を回避するという。
この技術はラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市CESで初公開された。車両および車両と相互通信可能な自転車用ヘルメットで構成されるシステムで、車両と自転車が接近するとドライバー・サイクリストの双方に警告が発せられ、衝突の回避を促す。車両と自転車の相互通信を利用した安全技術の開発は、自動車メーカーとしては初の試みとなる。
世界の自転車人口は年々増加しており、自転車通勤者も増え続けている。その結果、自転車による人身事故も増えており、ボルボとPOCは互いに協力して対策を施す必要があると考えているという。ボルボの新型「XC90」には、自転車との衝突の可能性を検知しドライバーに警告、必要に応じて自動ブレーキをかける技術が標準装備されている。これは自動車メーカーがサイクリストの安全に対し、明確に取り組んだ初の試み。この自転車事故回避の取組みが、今回のヘルメットを利用した画期的な技術のコンセプトの下地になっている。
この技術の開発に協力したスポーツギアメーカー大手POC、通信技術・サービス会社のエリクソンはともにスウェーデンの企業であり、ボルボと合わせてオールスウェーデンの連携から生まれた。この技術は3月2~5日にバルセロナで開催されるMWC(モバイル・ワールド・コングレス)でも公開予定となっている。