1月31日、2月1日の2日にわたって、千葉県・幕張メッセで開催されたゲーム大会とゲーム実況の祭典「闘会議2015」。ドワンゴが仕掛ける新たなイベントで、いったい何が起きていたのか。当日の模様を写真と共にレポートしていこう。

闘会議2015は2日間で35,786人を動員した

その前に、闘会議について簡単に解説する。ニコニコ動画には数多くのゲーム系の動画が投稿されており、数あるカテゴリの中でも特に人気のあるジャンルとして知られている。ただし、ゲームといっても、その内容はさまざまだ。ゲームを喋りながらプレイする様子を流す「ゲーム実況動画」や、ツールを使って人間を超えたタイムアタックを披露する「TAS」動画。さらにゲーム内の画面や音楽を組み合わせてPV風に仕立てあげる「MAD」動画など、一口にゲームカテゴリといっても、その内容は多岐にわたる。

闘会議は、そんなゲームカテゴリから、「ゲーム実況」と「ゲーム大会」をテーマに開催するイベントである。毎年開催されている「ニコニコ超会議」はニコニコ動画全体を再現するイベントだが、そこからゲームエリアだけをピックアップして発展させたイベントと考えればわかりやすい。

特徴は、ユーザー自身が参加するコンテンツがメインになっていること。いわゆる「見本市」ではなく、テーマパークのような体験・参加型イベントなのだ。

ニコニコ動画でも特に人気のあるコンテンツ「ゲーム実況」をリアルで行う

ユーザー自身が参加するコンテンツも多数用意されていた

初日、ホールに足を踏み入れて驚かされたのは、ユーザー層の多様さだった。友だちと一緒にはしゃぐ小学生グループもいれば、お目当ての実況者のトークを楽しげに聞いている大学生カップルもいる。親子でゲームを楽しむファミリーもいれば、一人で黙々と展示物を見て回る大人もいる。男女比率は半々か、もしかすると女性が少し多いくらいかもしれない。同じくゲームのビッグイベントである「東京ゲームショウ」に比べると明らかに女性の姿が目立つが、これは男性のゲーム実況者がアイドル的な人気を博しているからだという。

実況ストリートはいつ行ってもお客さんで一杯だった

女性が多いのも闘会議の特徴

そんなゲーム実況者が集うエリア「ゲーム実況ストリート」、および「ゲーム実況ステージ」は、いつ行っても観客で一杯になっていた。普段はネットを介して声を聞くしかできない憧れの実況者にリアルで会える場とあって、ファンが駆けつけたのだろう。用意されたゲームは『スーパーマリオ64』や『マインクラフト』、『ウルトラストリートファイターIV』など、ニコニコ動画の実況プレイではおなじみの作品ばかり。面白いのは、必ずしも新作である必要がないこと。たとえば『スーパーマリオ64』などはすでに20年近く前の作品だが、今でも実況プレイでは定番のソフトである(もちろん、もっと古い作品も人気がある)。

スポンサーメーカーもゲームソフトを提供

フリーソフトからかなり古いゲームまで幅広く実況されていた

ゲームイベントといえば、つい最新のゲームばかりが並んでいる状況を想像しがちだが、今回の闘会議の重要なキーワードは「ゲームならなんでもあり」である。それを象徴するのが、「アナログゲームエリア」だ。ここでは「ワンナイト人狼」や「カルカソンヌ」、さらにポーカーや麻雀、将棋(たしかにこれらもゲームといえばゲームだ)が行われており、テーブルは常に一杯になっていた。遊んでいるユーザーも老若男女問わず多様な顔ぶれだったのが印象的だ。このあたりは、ニコニコ動画の「なんでもあり」な空気につながる部分だろう。

アナログゲームエリア

ユーザーの真剣勝負をドワンゴ川上会長も見守る

さらに、ゲームそのものの歴史を伝えるような展示ブースも目を引いた。SCEブースでは歴代プレイステーションとそのソフトが展示され、レトロゲームエリアには「ゲーム歴史年表」なるボードが掲示。任天堂設立から現在に至るまでのゲームの発展の歴史がまとめられていた。

歴代プレイステーションの展示

各社の旧ハードも展示されていた

レトロゲームエリアのゲーム年表

付箋が用意されている

年表に自由に「俺歴史」を貼り付けられる

面白い試みだと感じたのは、ボードの下に付箋とペンが用意されており、「俺歴史」を書き込んでボードに追加できること。好きなゲームが発売された年に「今でもやってる!」と書き込んだり、自分の生年を見つけて「俺、生まれる」と書き込んだり、それぞれが自由に年表に参加して楽しんでいた。単なる展示であっても、こうしてユーザーを参加させるアイデアはニコニコ的だ。

そしてこのレトロゲームエリア、年表を見るだけでなく、実際にレトロゲームをプレイできるのだ。大人が懐かしんでプレイする姿も見受けられたが、面白いのは子どもたちが大勢プレイしていたこと。子どもはレトロゲームにはあまり興味を示さないのかと思っていたが、そんなことはなかったようだ。たしかに昔のゲームも、ニコ動ではバリバリの現役だったりするし。

レトロゲームのタイムアタックコーナーも

ファミコンをプレイする若者

そうか、もう初代プレイステーションも「レトロゲーム」なのか

マリオカートはニコニコ動画で今も人気のタイトル

年表といえば、「自作ゲームエリア」も見逃せない。往年の名作ゲームから、今人気のゲームまで、自作ゲームの歴史を15mもの巨大なボードで設置。さらに、『平安京エイリアン』や『ドアドア』『コープスパーティー』『ひぐらしのなく頃に』といった、歴史的に重要なタイトルを実際に体験することもできたのだ。