NTTドコモは5日、次世代LTEサービス「LTE-Advanced」の説明会を開催し、2015年3月に商用サービスを開始するLTE-Advancedを支える技術のバックボーンとして「高度化C-RAN」の説明と、実際に約240Mbpsでの高速通信のデモンストレーションを行った。また、3.5GHz帯の運用を2015年度末から開始し、商用サービスは2016年度から行う予定としている。

ドコモは、次世代LTEサービス「LTE-Advanced」に関する説明会を開催

3月からLTE-Advancedの商用サービスを開始

NTTドコモは2015年3月から、LTE-Advanced商用サービスを開始する。LTE-Advancedとは、LTEの後継となる無線規格で、現行のLTEの技術をさらに拡張・高速化したものだ。最大通信速度は規格上、下り3Gbps、上り1Gbpsまでが視野に入っている。

よく勘違いされるのだが、LTE-Advancedとはまったく新しい通信規格ではない。LTEとLTE-Advancedには完全な下位互換性があり、LTE端末はLTE-AdvancedのネットワークでLTE通信が利用可能であり、LTE-Advanced端末もLTEネットワークを利用できる。

LTE Advancedを構成する技術要素は、移動通信分野の業界団体である3GPPが2010年に「3GPP Release 10」として策定している。「CA(キャリアアグリゲーション)」や「MIMO」などがあり、これらのうち、CAについてはすでにキャリア各社が現行のLTEでサービスを開始しており、MIMOについても現状ですでに2x2 MIMOが一般化しており、3月末からはWiMAX 2+が4x4 MIMOに対応した端末を発売する。すでに現状のLTEは半ば、LTE-Advancedになりつつあるとも言えるのだ。

LTE-Advancedでは最大100MHz幅まで拡張できる「CA(キャリアアグリゲーション)」や、最大8x8のアンテナを使って同時に通信する「MIMO送信技術」、マクロセルとスモールセルが混在した「ヘテロジーニアスネットワーク」などが主要技術として策定されている

NTTドコモのLTE-Advancedサービスでは、2MHz帯と1.5GHz帯、または800MHz帯と1.7GHz帯という異なる帯域をCAで束ね、最大30MHz幅を使って下り最大225Mbpsの通信を可能にする。「カテゴリー6」と呼ばれる、本来は40MHz幅を使って300Mbpsまで出せる規格なのだが、保有帯域の都合上、30MHzで225Mbps止まりになるという。なお、NTTドコモとしてはこのカテゴリー6をもって「LTE-Advanced」と呼称するようだ。