Q.ノー残業デーを設けることについて、どう思いますか?

サービス残業が未だ横行する日本社会。この劣悪な状況を打開するために提唱される「ノー残業デー」という制度について、実際に働いている人たちはどう感じているのだろうか。今回はマイナビニュース会員のうち男女300名に、ノー残業デーについてどう思うか答えてもらった。

Q.ノー残業デーを設けることについて、どう思いますか?

とても良いと思う 43.0%
良いと思う 39.7%
良くないと思う 11.7%
とても良くないと思う 5.7%

Q.その選択肢を選んだ理由を教えてください

ノー残業デーに賛成

■ノー残業デー、賛成!!
・「サービス残業や、気を遣って帰れない人にとっては、会社が定めてくれれば、帰りやすい環境がつくられるのではないかと思う」(41歳女性/金融・証券/秘書・アシスタント職)
・「まずはノー残業デーだけでも早く帰れるように頑張ってみることが、長時間労働を減らす一歩だと思うから……時間は無限ではないことにそろそろ気づいていきたい」(32歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「日本人はルールがないと実行しない」(42歳男性/商社・卸/その他)
・「皆で渡れば怖くない精神、そうでもしないと残業はなくならない」(33歳女性/運輸・倉庫/秘書・アシスタント職)

■プライベートの充実
・「仕事とプライベートのメリハリをつけるのは大事だから」(27歳女性/生保・損保/営業職)
・「ワークライフバランスが大事だから」(25歳女性/金融・証券/秘書・アシスタント職)
・「家庭を大事にしたい」(32歳男性/農林・水産/販売職・サービス系)
・「普段は終わる時間が読めないけど、習い事ができるようになる」(28歳女性/運輸・倉庫/営業職)
・「早く帰る→飲みに行ったり、スポーツしたりすることでお金を使いので経済が回る、出会いが増えて結婚する人が増える、と思う……悪いことは何もない」(35歳男性/機械・精密機器/営業職)

■残業なしの効果
・「ダラダラ仕事をしている人がいるから」(46歳男性/印刷・紙パルプ/技術職)
・「業務を段取り良く進める工夫をすると思うから」(41歳男性/情報・IT/営業職)
・「時間の意識を持てていいと思う」(28歳男性/医療・福祉/専門職)
・「節電になり、業務効率も上がる」(28歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「それがあることによって、忙しい時期も仕事を頑張ろうという気持ちになると思うので」(31歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)

■みんなで意識改革を
・「残業しないことを奨励するのはもちろん、残業すること自体よろしくないという風潮を広めたいから」(23歳男性/電機/技術職)
・「残業するのが当たり前という風潮をなんとかした方がいいと思うから」(35歳男性/情報・IT/技術職)
・「あるけれど、建前だけなので……実際に、毎日、残業をしない意識・体制の方が大事」(31歳女性/学校・教育関連/技術職)
・「いずれにせよ日本の制度を変えない限り設けたとしても休むことはできない」(28歳男性/建設・土木/技術職)

■とにかく残業には反対!!
・「残業が続いて体調を崩したので絶対に残業をするものではない」(33歳女性/学校・教育関連/事務系専門職)
・「働き過ぎは良くない」(47歳男性/ソフトウェア/経営・コンサルタント系)

ノー残業デーに反対

■そうは言っても忙しい
・「その日にどうしても仕上げなければならない仕事もあると思うから」(23歳女性/機械・精密機器/営業職)
・「結局他の日に残業するので」(26歳女性/不動産/営業職)
・「仕事量が変わらなければ他の日が大変になるだけだから」(27歳女性/その他/その他)
・「慢性的な人手不足の中でノー残業デーを設けても他の日や休日にしわ寄せが行くだけ……人員増とセットなら賛成」(56歳男性/学校・教育関連/事務系専門職)
・「結局家で作業することになる、無償で」(31歳男性/商社・卸/営業職)

■強制はイヤ
・「その人のペースで仕事をしたいので会社から勝手にノー残業dayを作られるのは迷惑」(33歳女性/不動産/事務系専門職)
・「自分のペースで働けなくなるから」(28歳女性/医薬品・化粧品/事務系専門職)
・「仕事の進捗状況で判断すべき」(48歳男性/建設・土木/技術職)

■ノー残業という考え方に疑問
・「まるで普段の残業を疑問なしに是認しているようにも成りかねないので……また職場環境によっては、ノー残業デーも守られない気も」(34歳男性/金属・鉄鋼・化学/その他)
・「わざわざノー残業デーを設けるのではなく、残業がないことを前提にすべき」(25歳男性/その他/その他)
・「各個人仕事のないときにきちんと帰れる職場をつくることが大事だと思う」(20歳女性/自動車関連/事務系専門職)
・「残業は悪という考えかたが嫌い……余裕のある時間配分が、新しい仕事を生み出す可能性もある」(27歳女性/機械・精密機器/事務系専門職)
・「設けても、残業代が出ない日、というだけになるから」(32歳男性/団体・公益法人・官公庁/営業職)

■総評
「ノー残業デー」という制度、賛成だった人は「とても良いと思う」「良いと思う」を合わせて8割超となった。ノー残業デー肯定派は、とにかく「制度でもないと残業がなくならない」「とにかく残業を止めるためのきっかけが欲しい」という気持ちが強いようだ。残業当たり前、サービス残業が普通という風潮は、個人の力では打開しがたく、定時で帰る人への白い目は今も間違いなくある。「日本人はルールがないと実行しない」「時間は無限ではない」という意見、もっともだ。

もしノー残業デーが成功すれば、「プライベートの充実」を期待する人が目立った。家族サービスはもちろん、遊びに行ったり、その日に習い事を入れることもできる。また仕事にもメリハリができ、「ダラダラ仕事する人がいなくなる」「時間意識が働いて効率アップ」「その日のためにがんばれる」と、能率が上がることを期待する意見もあった。

2割に満たなかったが、ノー残業デーに異議を唱える人もいた。反対意見で最も多かったのは「結局他の日にしわ寄せがくるだけ」と形骸化を懸念する声だった。忙しくて残業しているのだから、仕事量を減らすか、人員増とセットでなければ意味がないという現実的な意見が多く、「家で無償で作業するようになるだけ」なんてコメントも。自分のペースで仕事できなくなるから、強制的に帰らなければならない制度なんて「邪魔なだけ」という声もあった。

そもそも「ノー残業」という考え方が不満な人もいるようだ。「ノー残業ということで、他の日の残業を暗に肯定することになる」、また「ただ残業代が出ない日が設けられるだけ」と、しっかり残業代が支払われる会社では無意味なことも指摘された。理想は「そんな日を設けなくても、帰りたい時間に帰れる体制を作るべき」という言葉に尽きる。

「現場を知らないヤツが考えること」なんて辛辣な批判もあった「ノー残業デー」制度。「月2回行われていて助かっている」「うまくいっている」なんて、実際に運用している会社で働く人からの報告もあった。ひどいサービス残業が横行しているような会社ならば、形骸化してもいつも通りなだけ、失敗を恐れず一度試してみる価値はあるかもしれない。

調査時期: 2015年1月15日~2015年1月17日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男性137名 女性163名 合計300名
調査方法: インターネットログイン式アンケート