喫煙者をめぐる環境は厳しくなるばかり。喫煙者受難の時代です。歩きタバコや吸い殻のポイ捨てなどは論外ですが、きちんとマナーを守って喫煙していても、煙たがられたり、嫌な顔をされたり、非難の言葉を浴びせられたり……。「ちゃんとルールを守っているのだからおおめに見てください」、そんなエクスキューズも通用しにくくなっています。
喫煙者は常日頃、どんな悲しい目にあっているのでしょうか? そこでマイナビニュースでは、タバコがやめられないでいる262人に、喫煙をめぐる受難やトラブルについて聞いてみました。
帰宅したらすぐシャワーを強要される人も
アンケートでは最初に、「職場や自宅で喫煙中、理不尽なことを言われたり、されたことはありますか?」と、日常生活での“受難”の有無を尋ねてみました。その結果、「はい」と回答したのは15.3%で、意外と少ないようですね。
喫煙者への社会の風当たりは、こんなにも緩いものなのでしょうか? でもこれは、質問が「理不尽なこと」と限定したからなのかもしれません。いろいろ言われたり、冷たい仕打ちを受けても、「筋が通っており、仕方がないな」と思って「いいえ」と答えただけかもしれませんね。
その分析はさておくとして、「はい」と答えた喫煙読者たちはどんな理不尽を経験しているのか、その悲しい告白をご紹介していきましょう。
・「友人からタバコ臭いと言われた。親しい友人だったのでショックだった」(33歳男性/食品・飲料/販売職・サービス系)
・「外で吸ったのに、服がタバコ臭い! と煙たがられた」(26歳男性/農林・水産/技術職)
・「取引先から『タバコ臭いですね』と嫌みを言われた」(27歳男性/建設・土木/技術職)
・「煙の臭いが残るので外で吸ってくれと言われて、真冬でも外で吸っています」(42歳男性/自動車関連/技術職)
まずはこんな“臭いトラブル”が挙がりました。確かに、非喫煙者にとっては、タバコの臭いは不快そのもの。どんなに注意して吸っていても、服や体に染み込んでしまうのでしょう。
こうした“臭いトラブル”は、嫌われる原因がはっきりしているのでまだいいほう。中には、特別の被害もないのに「喫煙=悪」と決めつけて、難癖をつけられることもあるようです。
・「自宅ではいっさい喫煙できない。帰宅直前も吸えないし、帰宅後はすぐにシャワーを浴びなければならない」(42歳男性/ホテル・旅行/販売職・サービス系)
・「自分の部屋に母親が入ってくると、煙くもないのに嫌みったらしく咳き込まれる」(43歳男性/機械・精密機器/技術職)
元愛煙家が「喫煙は人類の敵」と手のひら返し
このあたりまでは、よくあるエピソードといえるでしょうが、次のような告白を聞くと少し同情的な気持ちになってしまいます。
・「タバコをやめた人間から、たばこを吸うやつは死にたがりだと言われた」(26歳男性/小売店/販売職・サービス系)
・「少し前まで自分も吸っていたのに、“人類の敵”とばかり喫煙の悪口を言う。ふざけるな」(46歳男性/電力・ガス・石油/技術職)
もともとは喫煙者だったのに、タバコをやめたとたん、手のひらを返したかのように喫煙者をなじる。言われたほうは理不尽きわまりない思いをすることでしょう。
もっと理不尽な受難もあるようで……。
・「うちの会社では、喫煙者はボーナス査定に響きます。ホントです」(男性27歳/情報・IT/営業職)
・「家族全員一致の命令で、実家での喫煙を禁じられた」(女性23歳/専門サービス/事務系専門職)
ここまでくると、もう抵抗しようがないかもしれません。
また、女性の喫煙者はいわれなき性差別も受けているようです。
・「女なんだから、タバコはやめなさいと上司に言われました」(34歳女性/その他)
・「喫煙者だと言っただけで、男の上司にヤンキーだと言いふらされた」(28歳女性/金融・証券/営業職)
・「女性なのにタバコを吸うなんて信じられないと言われた」(47歳女性/小売店/販売職・サービス系)
最後に、こんな声も紹介しておきます。
・「彼女に、タバコを吸う人は部屋に入れないと言われ、それで禁煙を決心した」(31歳男性/情報・IT/クリエイティブ職)
タバコをやめたいけどやめられないという人は、嫌煙者の嫌悪や非難をきっかけにするという方法もあるかもしれません。
嫌煙も喫煙も本人の自由。ただ、世間にはさまざまな人がいますので、できるだけお互いの立場は尊重して生活したいものですね。