総務省が30日に発表した2014年12月の労働力調査(速報)によると、12月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント低下の3.4%と2カ月ぶりに改善し、1997年8月(3.4%)以来、17年4カ月ぶりの低水準となった。

完全失業者の対前年同月増減と完全失業率(季節調整値)の推移(出典:総務省Webサイト)

完全失業率を男女別に見ると、男性は前月比0.2ポイント低下の3.6%、女性は同0.1ポイント上昇の3.2%。年齢階級別に見ると、男性は「25~34歳」「35~44歳」「55~64歳」で改善した一方、女性は「25~34歳」を除く全ての年齢階級で悪化した。

完全失業者数(原数値)は前年同月比15万人(6.7%)減の210万人と、55カ月連続の減少。男女別では、男性が同9万人減の127万人、女性が同6万人減の83万人となった。

就業者数(原数値)は前年同月比38万人(0.6%)増の6,357万人と、2カ月ぶりの増加。就業率(15歳以上人口に占める就業者の割合、原数値)は同0.4ポイント上昇の57.4%で、このうち15~64歳の就業率は同0.9ポイント上昇の73.1%となった。

雇用者数は前年同月比62万人(1.1%)増の5,645万人と、24カ月連続の増加。なお、非正規の職員・従業員数は同49万人増の2,016万人と、過去最多を更新した。

併せて発表した2014年平均の完全失業率は前年比0.4ポイント低下の3.6%。4年連続で改善し、1997年(3.4%)以来17年ぶりの低水準となった。ただし、非正規の職員・従業員数は同56万人増の1,962万人と、5年連続で増加し、過去最多を更新した。

一方、厚生労働省が同日発表した2014年12月の一般職業紹介状況によると、12月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.03ポイント上昇の1.15倍となり、3カ月連続で改善した。これは、1992年3月(1.19倍)以来22年9カ月ぶりの高水準となる。

求人、求職および求人倍率の推移(出典:厚生労働省Webサイト)

都道府県別の有効求人倍率を見ると、最も高かったのは東京都の1.68倍、最も低かったのは鹿児島県および沖縄県の0.80倍となった。

新規求人倍率(季節調整値)は前月比0.13ポイント上昇の1.79倍、正社員有効求人倍率(同)は同0.16ポイント上昇の1.09倍となった。

有効求人数(季節調整値)は前月比0.3%増、有効求職者数(同)は同2.2%減、新規求人数(原数値)は前年同月比5.6%増となった。

2014年平均の有効求人倍率は前年比0.16ポイント上昇の1.09倍と、1991年(1.40倍)以来23年ぶりの高水準となった。