カシオ計算機は、思いついたメロディを鼻唄で吹き込むだけで自動作曲してくれるiPhoneアプリ「Chordana Composer(コーダナ コンポーザー)」の提供を1月30日より開始する。価格は通常500円だが、2月5日までは特別価格の300円となる。Chordana Composerの発売に先立ちプレス向けに説明会が開催されたので、その模様をお伝えしよう。
Chordana Composerは、頭に思い浮かんだ数小節のメロディーをもとに、イントロからAメロ、Bメロ、サビ、エンディングまで1曲まるごと自動で作曲してくれるアプリ。Chordana Composerの開発を担当したコンシューマ事業部の南高純一氏は、同アプリについて「嬉しいときなど、頭の中にメロディが浮かぶことがある。一方で、作曲は専門家の仕事という認識がある。誰でも簡単に、オリジナル曲を作曲できるアプリがあったら。そんな思いで、開発をスタートさせた」と経緯を説明した。
鍵盤を弾く、音符を書いていくということは、誰にもできることではない。そこで歌声、および口笛といった音声入力に対応した。このほか、鍵盤(17鍵)を使って音を入力することも可能だ。「与えられたモチーフを変形、発展させてゆく技術に関して試行錯誤を繰り返してきた」と南高氏は説明する。モチーフに合うサビ、Bメロ、イントロ、エンディングなどが自然な形で出てくるように、音と音のつながり、AメロとBメロのつながりといったものを定式化したという。
自動作曲にはポップス、ダンス系、ロック、ジャズ、ラテンなどの「ジャンル」や、楽しげな、バラード調、ノリの良いといった「曲調」を選択できる。メロディーの動きの大きさ、テンション(大胆な音使い)といった要素で、曲に変化をつけることも可能だ。壇上では、実際に作曲のデモが披露された。南高氏が冒頭の2小節を口笛で吹くと、それだけでリズミカルで明るい曲ができあがった。
説明会の最後に、質疑応答の時間がもうけられた。曲の著作権は、アプリを使って曲を作ったユーザーに帰属するとのこと。データはAAC形式のファイル(m4a)で書き出しでき、容量は数MB程度となるので、メールに添付することも可能だという。曲全体の長さをユーザーが指定することはできない。テンポの変更は、60~280の間で作曲可能。拍子は現在のところ4/4拍子のみの対応で、今後ユーザーの要望に応じて対応するそうだ。SNSへの対応については、「社内の企画には上がっている。今後の対応を検討していきたい」(南高氏)とのこと。このほか、他の作曲アプリとの差別化要素については「モチーフを入れて、1曲まるごと作れるのはChordana Composerのみ」と南高氏はアピールする。
対応OSは、現在のところiPhone 5s/5c/5、iPhone 6/6 Plus、iPod touch(第5世代)のみ。これについて南高氏は「Androidの対応も進めていきたいが、仕様に大きな違いがあり、技術的な課題が残っている。要望に応じて対応していきたい」とした。