日本政策金融公庫総合研究所は27日、「中小企業の海外事業再編に関するアンケート」の結果を発表した。それによると、海外拠点から撤退した企業のうち、一定の成果を上げた企業は4割に上ることがわかった。
撤退拠点が所在した国・地域は「中国」が45.3%で最多。業種は「製造業」が78.4%でトップ。撤退時期は「2010年以降」が45.1%で最も高く、撤退拠点での活動年数は「5~9年」が31.7%、「5年未満」が23.2%となった。
撤退理由のうち最も重要なものを聞くと、「製品需要の不振」が11.8%、「管理人材の確保困難」と「現地パートナーとの不調和」が同率の10.6%となった。
撤退拠点の成果を見ると、「予想をかなり下回る成果にとどまった」が36.6%で最も高かったものの、「予想を上回る成果を上げた」が6.1%、「予想通りの成果を上げた」が34.1%と、合わせて40.2%が一定の成果を上げていた。また、撤退による国内事業への影響については、57.3%が「特に影響はなかった」と回答し、影響があったとする企業でも「良い影響」が「悪い影響」を上回っていた。
撤退後も海外拠点を持つ企業は46.5%で、これらの企業では、撤退経験を「既存の海外拠点で活かした」「撤退後、新たに設置した海外拠点で活かした」と答えた割合がそれぞれ41.7%に上った。
調査時点は2014年10月、有効回答は298社。