「AACクリニック銀座」はこのほど、同クリニック院長・浜中聡子氏によるクリニックレターVol.1「女性ホルモンと髪」を発行した。

「女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量の年代別推移」

女性の一生における女性ホルモンの総分泌量はティースプーン1杯程度と言われているという。年代によってその分泌量は変化し、20代後半をピークに、30歳を過ぎると徐々に減少し、45~55歳の更年期では急激に下降するとのこと。

女性ホルモンでよく知られているのは、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種。特にエストロゲンは、髪の毛を保持するのに役立つといわれている。「だからといって、『エストロゲンだけ分泌されていればいい』というわけではありません。エストロゲンとプロゲステロンの双方がバランスよく分泌されることで健康的な髪、さらには健康的な身体を手に入れることができます」と浜中氏。

髪に良い5つの生活習慣とは?

浜中氏は、「女性ホルモンの分泌には生活習慣が大きく関わる」とし、美しい髪を保つ生活習慣として次の5つをあげている。

まず第一に、栄養バランスの整った食事を心がけること。高たんぱくかつ低脂肪が理想だという。また、女性ホルモンの働きに似た大豆食品ばかりに頼らないこともポイントで、和定食のイメージを頭に置き、卵や魚、肉など動物性たんぱく質をとるようにしたいとのこと。魚では、アジやイワシなどの青魚、肉は赤身を選んで食べると良いという。

2つ目は、有酸素運動を1日20分ほど行うこと。やや汗ばむ程度の有酸素運動を行うことで、心臓から血液を送り出す機能が高まり抹消の血流も良くなるため、頭皮環境を整えることにつながるという。

3つ目は、質の良い睡眠をとること。髪の成長に必要な成長ホルモンが最も多く分泌されるのは、入眠直後の90分間にやってくる「ノンレム睡眠」時であり、1日に分泌される量の70%が分泌されている。そのため、寝不足や夜型の生活が続くと、成長ホルモンが正常に分泌されなくなり細胞の修復がスムーズに行えなくなるという。「22時~深夜2時にかけてが髪にとってのゴールデンタイムで、遅くとも日付が変わる前に寝ることが大切です」と浜中氏。

4つ目は、入浴で免疫力を上げること。免疫力が低下すると、髪に影響が出るという。湯船に浸かってゆっくり体を温めることで血流が良くなり、免疫システムの働きが良くなるとのこと。

最後に、しっかり水分補給をすることだという。体が疲れやすくなっている人は、水分摂取量が足りていない可能性があるとのこと。ちなみに1日に必要な水分量は、自分の体重を8で割った数のコップの水が目安となる。

さらに浜中氏は、「職場でストレスをためている方も多いかもしれません。そんな時はドキドキする体験をしましょう! ドキドキ体験によってホルモン分泌が活発化し、月経不順が改善されたという例もあるくらい、良い恋愛は身体へも影響します」とコメントしている。