国際通貨基金(IMF)は20日、最新の世界経済見通しを発表した。それによると、2015年の世界経済成長率を3.5%と予測し、前回(2014年10月)から0.3ポイント下方修正した。2016年の成長率についても、同じく0.3ポイント引き下げて3.7%に修正した。
下方修正した要因としては、中国、ロシア、ユーロ圏、日本における経済の不振、ならびに原油価格の急落による一部の主要な原油輸出国・地域の経済活動の弱まりを挙げている。
日本の成長率は、2015年が前回比0.2ポイント低下の0.6%、2016年が同0.1ポイント低下の0.8%と、ともに下方修正。日本経済は、2014年第3四半期に事実上の景気後退局面に入ったと見ているが、追加緩和や消費増税の延期といった政策対応が「経済活動の段階的な回復を支える」と分析している。
主要先進国・地域を見ると、米国は2015年が前回比0.5ポイント上昇の3.6%、2016年が同0.3ポイント上昇の3.3%とし、ともに上方修正。原油価格の低下により内需が支えられると予想している。
一方、ロシアは2015年が前回比3.5ポイント低下のマイナス3.0%、2016年が同2.5ポイント低下のマイナス1.0%と大幅に悪化し、ともにマイナス成長に転落。原油価格の急落とウクライナ情勢など地政学的緊張による経済への影響を反映したという。