QLife(キューライフ)はこのほど、更年期障害の治療法の一つである「ホルモン補充療法(以下:HRT)」に関する調査結果を発表した。同調査は2014年10月16日~21日、「さがらレディスクリニック」院長の相良洋子氏監修のもと、HRT経験者である40~50代の女性500名を対象にインターネットで行った。

「更年期障害の症状を自覚してから、どのくらいで病院やクリニックを受診したか」

「更年期障害の症状を自覚してから、どのくらいで病院やクリニックを受診したか」を聞いたところ、「1~3カ月程度」が19.0%と最も多いものの、約半数は、症状を自覚してから受診するまでに4カ月以上要していることがわかった。

「経験した更年期障害の症状」(複数回答)

「経験した更年期障害の症状」について複数回答で聞いたところ、HRTを受ける前に1人あたり平均5.4個の症状に悩んでいたことがわかった。そのうち、2人に1人が悩んでいる症状として、「汗をかきやすい」(64.6%)「急に顔がほてる」(62.4%)「疲れやすい」(55.8%)があがった。

「経験した更年期障害の症状のうち、特につらかったもの」

「経験した更年期障害の症状のうち、特につらかった症状」を聞いたところ、「汗をかきやすい」(18.0%)「急に顔がほてる」(16.4%)「頭痛、めまい、吐き気がよくある」(14.2%)が上位にあがった。

「ホルモン補充療法(HRT)での治療期間」

HRTでの治療期間を聞いたところ、「1~3年」が27.4%で最も多かった。

「ホルモン補充療法(HRT)に対して不安や抵抗感があったか」

「HRTに対して不安や抵抗感があったか」を聞いたところ、49.4%の人は「不安や抵抗感はなかった」「あまり不安や抵抗感はなかった」と回答した。一方で、「不安や抵抗感があった」「やや不安や抵抗感があった」と回答した35.8%の人に理由を聞いたところ、「副作用がありそうだから」が87.7%で最も多かった。

「ホルモン補充療法(HRT)を受けると決めた一番強いきっかけ」

「HRTを受けると決めた一番強いきっかけ」を聞いたところ、74.4%が「医師からの勧め」でHRTを始めていたことがわかった。また、HRTの情報収集はインターネットが主だった。

「ホルモン補充療法(HRT)で実際にかかった1カ月あたりの平均費用」(検査代を含まない)

「1カ月あたりのHRTの平均金額×HRTの費用対効果」

「HRTで処方された薬の種類」を聞いたところ、67.2%の人が「飲み薬」と回答。また、HRT費用については、1カ月あたり「1,000円~1,999円」が26.8%で最も多かった。

1カ月あたり2,000円未満の患者の半数以上が「妥当だと思う」と回答する一方で、2,000円以上かかっている患者の半数以上が「高い」「どちらかというと高い」と回答。2,000円を境に、金額の妥当感に大きな差があることがわかった。

「ホルモン補充療法(HRT)を始めて、更年期障害の症状は改善したか」

「HRTを始めて、更年期障害の症状は改善したか」を聞いたところ、症状が「改善した」(29.4%)と「やや改善した」(41.6%)と回答した人を合わせると、71.0%の人が症状の改善を実感していることがわかった。

「ホルモン補充療法(HRT)で改善したと思う症状」(複数回答)

「改善した」「やや改善した」と回答したを対象に「改善したと思う症状」を聞いたところ、「急に顔がほてる」(49.0%)「汗をかきやすい」(38.3%)「頭痛、めまい、吐き気がよくある」(20.6%)の3症状が上位に。これらは患者が悩む「特につらい症状」のベスト3と一致した。

「ホルモン補充療法(HRT)でQOLがどの程度変わったか」

「ホルモン補充療法(HRT)に対する満足度」

「HRTの実施によりQOL(生活の質)がどの程度変わったか」を聞いたところ、74.0%が「まったく支障がない」「あまり支障がない」状態まで改善。また、58.8%がHRTについて「満足」「やや満足」と回答した。

調査結果について、相良氏は「『更年期障害は生命にかかわる病気ではないから』などと言われ、かえって症状が悪化してしまったり、いくつもの病院を転々とする患者さんもいらっしゃるのですが、最近は理解のある医師も増えています。更年期障害に詳しい医師をインターネットで検索することができますので、近くのクリニックや病院を探してみると良いと思います。また、更年期に限らず、さまざまな年代で出てくる身体の不調を相談する場所として、女性は婦人科のかかりつけ医を持っておくのがいいでしょう」とコメントした。