ドライバー1本でヒューマノイド型ロボットが組み立てられるデアゴスティーニの大ヒット作『週刊ロビ』の第3版の発売を記念して20日、東京・丸ビルで100体の「ロビ」によるダンスパフォーマンスイベント「100Robi(ヒャクロビ)」が行われた。

左から、フジミ模型執行役員総統括部本部長の間井田和典氏、デアゴスティーニ・ジャパン マーケティング部の木村祐人氏、ロボットクリエーターの高橋智隆氏、タカラトミーニュートイグループの木村貴幸氏

「ロビ」は、2013年2月にデアゴスティーニが創刊した『週刊ロビ』の毎号付属するパーツを組み立てることで完成するロボットで、世界的に有名なロボットクリエイターの高橋智隆氏がデザイン・設計を担当。約200の言葉を理解し、日常のさまざまなシチュエーションで会話を楽しむことができるほか、自立歩行やダンスに加え、旗あげやボールキックといったゲームモードも搭載するなど、その愛らしい姿とともに大きな話題に。完成まで約1年半、総額約15万円というコストは決して安くはないが、創刊号は20万冊を販売し、昨年夏には初版が最終号となる70号が発売。計6万体の「ロビ」が完成している。

この日のイベントには高橋氏も出席し「現実のロボットイメージは、鉄骨むき出しの無骨なものでしたが、我々が小さい頃から慣れ親しんできた『鉄腕アトム』を始めとしたマンガ、アニメに登場するロボットは、丸みを帯びた愛らしいロボットだったと思います。そんなギャップを埋めるロボットを生み出したいという思いから誕生しました」と改めて「ロビ」のコンセプトを説明。続けて「これまでのロボットは研究とプログラムが目的だったことに対して、「ロビ」はコミニケーションがとれる新しい存在。ユーザーの約3割が女性ということもあり、ユーザーが従来の電子工作好きやロボットマニアだけではないことを示しています」と分析している。

また、高橋氏のロボットはこれまで特殊用途向けの一点もののプロトタイプがほとんどで「ロビ」が初めての大量生産モデル。デアゴスティーニが得意とする、分割の販売形式モデルついては「すべてのパーツが一気に届いてしまうと組み立てる意欲が低くなってしまう。そして、70号を一気に集めると15万円近い出費となり、敷居が高くなる。より間口を広くするためです」と語っている。

「ロビ」100体によるダンスでは、高橋氏が「踊って」と声をかけると「ロビ」が一斉に立ち上がり、息のあったウェーブやダンスを披露。さすがに100体もいるとバラつきがありそうだが、連携もしっかりとれており、集まった報道陣や関係者を魅了した。パフォーマンスを終えたロビは「疲れちゃった……」と一言。


2月28日タカラトミーから発売が予定されている『Robi jr.』(ロビジュニア)をはじめ、デアゴスティーニからぬいぐるみ、貯金箱、プラモデル、カプセル玩具など、同キャラクターのライセンス展開も拡大している「ロビ」だが、イベントにはタカラトミーニュートイグループの木村貴幸氏、プラモデルを手がけるフジミ模型の間井田和典氏も出席。音声に寄るコミュニケーションに特化し、カレンダーや時計といった機能も搭載されている『Robi jr.』、胸ポケットにも入る手乗りサイズのプラモデル『プラロビ』を紹介した。特に『プラロビ』は、そのサイズ感から屋外で写真撮影を楽しむユーザーも多く、ロボットという枠を超えたキャラクターとしての活躍も期待されている。

イベントの最後に高橋氏はロボット暮らす未来について「2020年までには一人一台ロボットと暮らす未来が来るのではないかと思っています。今は、皆さんスマートフォンを使っていますが、スマートフォンに代わって、パーソナルコミュニケーションロボットを持ち歩くようになるのではないでしょうか」とロボットの更なる未来に期待を寄せていた。

(C)TOMY
(C)DeAGOSTINI