長崎・モナコに並ぶ3大夜景のひとつとも称されている香港の夜景だが、地元の人は香港の夜景を見るなら断然「ビクトリア・ピーク(ザ・ピーク)」がオススメと言う。そのビクトリア・ピークは太平山の山頂にある。

「ビクトリア・ピーク」からはこんな感じに香港の夜景が楽しめる

香港島の最高峰である標高552mからは、香港島だけでなく九龍側の超高層ビル群とその間に佇むビクトリアハーバーの、宝石箱をひっくり返したような息を飲む景色が見られるのだ。しかし、ここビクトリア・ピークの楽しみ方は夜景だけではない。昼でも楽しめるビクトリア・ピークのおすすめスポットを紹介しよう。

ピークタワーの屋上にある「スカイテラス428」は、標高428mで香港一高い展望台となっている

香港島最高峰でお手軽ハイキング

まずはこの最高峰の頂上界隈、摩天楼を横目にハイキングすることができるのだ。オススメは、ピークタワーの脇から入れる「香港トレイル」コース。香港総督フレデリック・ルガードの名をとった盧吉道(Lugard Road、ルガード・ロード)を入ると起伏のない小道が続き、そびえ立つピークタワーが次第に小さくなっていく。途中から別の夏力道(Harlech Road、ハーレック・ロード)につながり、1周約1時間くらいで周れるちょうどよいコースだ。

途中、鬱蒼とした木々や花が咲き、生息する生物や植物の説明もあるので、香港の自然を学ぶこともできる。木々の隙間から超高層ビルの天辺が手に取るように近くに見えたりと、なんとも贅沢な眺望のお散歩コースなのである。もちろん途中で引き返すことも可能なので、軽く10分くらいだけでも自然散策してみるのもいいだろう。

亜熱帯気候を感じさせる香港の自然と、眼下の摩天楼という眺望を楽しみながら散策

歴代のアジアンスターに会えるのはここだけ!

展望台のあるピークタワー内の人気スポットといえば「マダムタッソー蝋人形館」だ。東京をはじめ世界20カ所にある蝋人形館だが、アジアンスターにこれだけ会えるのは香港だけだろう。展示は10テーマに分かれており、世界各国の有名人・著名人・政治家など100人以上の偉人たちに出会えるのだ。

特に、最初のテーマ「香港グラマー」は豪華キャスト。香港・中国・韓国などのアジアンスターにブラッドピットなどのハリウッドスターまで、華やかなパーティ会場が演出されている。

また、新しく追加された「ファンタジー・キングダム」では、映画やアニメのヒーロー、ドラえもんやアトムなど空想世界の人気者がお出迎え。一緒に写真に撮ると、キャラクターたちの世界に入り込んだ気分になれるかも。スポーツ選手が迎えてくれる「ザ・チャンピオンズ」は撮影待ちの人だかりができるほど、世界のオールスターが勢ぞろい。特に、相撲の千代の富士は各国の観光客に大人気だ。

撮影待ちの列が途絶えない千代の富士

日本の吉田茂も

トウ小平(トウは登におおざと)や毛沢東など中国の歴代政治家が並ぶのも香港ならでは

ケリー・チャンやアンディ・ラウなど、世界的に有名な香港スターたちがお出迎え

ブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリー夫妻

ブルース・リーのみ撮影は有料

伝説の歌手・アニタ・ムイ

ドラえもんやアトムの姿も

「ファンタジー・キングダム」では人気映画のキャラクターを再現

ピークトラムで幻影体験

1888年にアジア初のケーブル鉄道として運行を開始したのが「ピークトラム」。セントラルから頂上まで363mの標高差、全長1,365mの創業当時からのレールの上を最高時速22kmで走る、ビクトリア・ピークの観光には欠かせない鉄道だ。

初代車両は木製で石炭燃料で山を駆け上った。1989年から導入された現在の車両は5代目で現代システムを取り入れている

このトラムではちょっと不思議な体験ができるという。登りのトラムに乗車する際に摩天楼を眺めると、視界の加減や最大斜度27度で登る傾斜感覚から、高層ビルがビクトリア・ピークに向かって落ちている(傾いている)かのように見えるのだ。2013年に香港大学による研究が発表されたお墨付きだが、実際乗って確かめてはいかがだろうか。

※記事中の情報は2014年10月取材時のもの