米国ポテト協会はこのほど、米国医師会雑誌(「ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション」)に掲載された研究結果を踏まえ、健康に対するポテトの有益性を発表した。
同研究では、「GI値」(食後の血糖値の上昇度を示す指標)は、すでに健康に良い食事をとっている人にとって最終的にはそれほど重要ではない可能性があることが示されたという。具体的には、低GI食は、血圧の低下、血中コレステロール値の改善、インスリン感受性の向上につながらないことが明らかになったとのこと。これらはすべて心血管疾患と糖尿病のリスク要因として知られている。
米国のジョンズ・ホプキンス病院およびブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究グループは、体重過多で高血圧の成人163名を対象に、GI値(高または低)と炭水化物含量(高または低)が異なる4つの食事療法における心臓の代謝効果を研究した。
健康に良い「ダッシュ食(DASH、Dietary Approaches to Stop Hypertension:高血圧を防ぐ食事法)」の食事パターンに従って、すべての食事、軽食、飲料が研究参加者に提供された。ポテトは、避けるべき高GI食品として分類されることが多いが、同研究では低GI食および高GI食の両方で使用されたという。
5週間の食事療法が終了した時点で、高GI食を摂取した参加者と比べても、低GI食を摂取した参加者の血圧、インスリン感受性、血中脂質レベルには、大きな改善は見られなかったとのこと。
同協会栄養顧問および炭水化物代謝の専門家であるキャサリン・ビールス博士(管理栄養士、米国スポーツ医学会フェロー)は、「GI値の支持者は、低GI食は糖尿病と心血管疾患のリスク要因を削減できると主張しています。しかし、これらの研究結果からは、健康に良い食事においては、GI値はあまり関係ないことがわかりました。インスリン感受性、HDL/LDLコレステロール値、収縮期血圧の改善という点で、低GI食は高GI食よりも効果があるわけではありませんでした」とコメントしている。
なお、中サイズの皮付きポテト1個(約150g)のカロリーは約110キロカロリーで、バナナ1本分よりもカリウムが豊富(620mg)に含まれ、ビタミンCの1日の摂取量の約半分(45%)を摂取することができるという。さらに、脂肪、ナトリウム、コレステロールは含んでいないとのこと。