三菱UFJリサーチ&コンサルティングはこのほど、「2015/2016年世界経済見通し」を発表した。それによると、2015年の世界の実質経済成長率(前年比、以下同)は3.5%増、2016年は3.3%増と予測している。
世界景気は2015年前半にかけて緩やかに加速するが、早ければ年中頃にも予想される米国の利上げを受けて、後半以降は減速基調で推移する見通し。ただ調整は軽微にとどまり、世界経済の成長の腰折れは避けられると分析している。
国別に見ると、米国の実質経済成長率は2015年が2.8%増、2016年が2.4%増と予測。2015年中頃の利上げ以降、景気は減速気味に推移するが、雇用情勢の改善を受けて賃金上昇率が緩やかに高まると見込んでいる。株価も緩やかな上昇を維持し、景気は「緩やかな拡大基調を維持する」という。
ユーロ圏の実質経済成長率は2015年が1.0%増、2016年が1.3%増と予測。世界景気の拡大を受けて輸出が持ち直し、景気をけん引する。また、雇用・所得増税の改善を受けて個人消費が回復するほか、建設投資や住宅投資も「戻り歩調を徐々に強めていく」と見込んでいる。
中国の実質経済成長率は2015年、2016年ともに7.2%増と予測。ストック調整圧力の下、設備投資の増勢が鈍化し、景気が減速する一方、個人消費は着実に増加する見通し。また、政府による景気下支え策も見込めるため、景気の下振れは回避されるとしている。