「ウーマンウェルネス研究会supported by Kao」はこのほど、年末年始の冬太りの三大原因とそれぞれの対策方法について発表した。

「体重や体脂肪が気になる」人の月別推移

年末年始は、宴会などで食べすぎたり飲みすぎたりする機会が多い上、寒さから運動不足にもなりがちな時期。「体重・体脂肪に関する意識調査」(2013年花王調べ/20~60代の男女2,000人が対象)でも、1年の中で1月に体重や体脂肪が気になると回答した女性は78%で最多だったという。

同研究会メンバーで医学博士、健康科学アドバイザーの福田千晶氏は、「冬は、身体が体温調節をすることでカロリーを消費するため、夏よりも基礎代謝が上がります。しかし、"基礎代謝が上がる=痩せやすい"と安心するのは要注意です」とコメント。

個人差があるものの、"寒さで熱(エネルギー)を消費する分、エネルギーを蓄えなくては"と身体が考えて省エネモードになる、つまり太るリスクが高いとも考えられるという。さらに冬は宴会が多い上に食べ物をおいしく食べられる季節でもあり、寒さから身体を温めようと高カロリーな食べ物を欲しやすくなるなど、食の誘惑も多いため、太りやすい季節といえるとのこと。

「冬太りの負のスパイラル」

さらに、冬についた脂肪="冬脂肪"についても注意が必要だという。「身体は、体重が増えるとその体重を維持しようとするため、以前よりも食欲が増してしまいます。身体は、体重が2キロ増えるだけでも動きにくくなるので、"冬脂肪"を放置すると、春を迎えて暖かくなっても身体が重く、動くことがおっくうになるため運動量が減り、さらに太る、という負のスパイラルに。"冬脂肪"を春までに落とせるかどうかで、春以降に太るリスクも変わってくるのです」と福田氏。そして、冬太りの原因として次の3つをあげている。

冬太りの原因その1「暴飲暴食」

「夕食開始時間と朝食欠食率」

1つ目の原因は「暴飲暴食」。宴会の席で大皿から取って食べたり、飲み干す前にお酒を注がれたりすることで、食べた量や飲んだ量を自分で把握しにくくなり、普段より飲食量が多くなってしまうという。また、宴会により夕食時間が遅くなることで、朝食を食べなくなる傾向に。最新の研究では、遅い時間の夕食や朝食欠食は内臓脂肪をためやすいことがわかっているという。

対策としては、まず食べた量を把握すること。食べる分だけ取り皿にとり、お酒は飲み干してから注いでもらうことを心がけたいという。

次に、宴会は早い時間から開始し、早めの時間に切り上げるようにし、夕食時間が遅くならないように気をつけたいとのこと。翌日は、朝食を抜かずに体調に合わせた食事をとり、朝食習慣が乱れないようにすることもポイントに。

また、手軽に冬太り対策をしたいという人には、茶カテキンなどの脂肪燃焼効果が認められた食品をうまく取り入れることもおすすめだという。

冬太りの原因その2「冷え」

2つ目の原因は、「冷え」。人の身体は、体温維持にカロリーを消費するため、エネルギーを蓄えようとする働きがある。身体が冷えていると、ポタージュやココアなどトロミのある温かい食べ物を胃に入れて身体を温めようとする傾向に。加えて冬は、味付けの濃いものや甘くて脂質や糖質の多いものを食べたくなりがちなことから、"冷え太り"のリスクが高くなるという。

"冷え太り"を防ぐには、身体を温めることが最も重要に。特に入浴は毎日の習慣にしたいポイントで、温熱効果の高い炭酸ガス入りの入浴剤などを利用するのも一つの方法だという。

そして、首、手首、足首の「3首」のほか、おなかを温めると胃腸の働きが良くなるため、身体に必要な栄養素の吸収が良くなり、余分な栄養をとらずに済むという。身体を圧迫しない衣服や裾のすぼまったズボン、温熱シートなどをうまく活用したいとのこと。

冬太りの原因その3「運動不足」

3つ目の原因は「運動不足」。冬は寒さで動くのがおっくうになり、運動不足になりがち。特に年末年始は外出せずに家でゆっくり過ごす人も多く、普段よりも運動量が少なくなっているという。

対策としては、日々の生活の中でこまめに動くことを意識すること。階段よりもエスカレーターを使う人、できるだけ動かずに用を済ませようとする人、デスクワークの人などで運動量が少ない人は特に要注意だという。また、掃除の際は窓掃除をして全身を使う、通勤電車ではかかとを少し上げて立つなど、ちょっとした運動を心がけたいとのこと。

運動をする場合は、食後1~2時間後が効果的。食後の血糖上昇が長く続くと、「インシュリン」が分泌され脂肪を増やしてしまうため、運動をして上昇した血糖を速やかに使うことが大切だという。