フクロウマニアにはたまらない「フクロウカフェ」、パクチー好きにはたまらない「パクチー料理店」。先ごろ、この2つがドッキングした夢のようなカフェが高田馬場にオープンした。
朝はフクロウと一緒に電車通勤
店の名前は「パクチーバル8889」。高田馬場の「ばば(88)」と「パクチー(89)」から拝借した数字の羅列だが、「8の形がフクロウに似ている」という意味も持ち合わせているのだとか。
オーナーの野中友さんは、根っからのフクロウ好き。子どもの頃からフクロウが大好きだったというが、「大人になるまで、飼うことができるものだとは知らなかったんです」とのこと。「カフェを開きたい!」との想いをおさえきれなくなって会社を辞めた時、「だったらフクロウカフェも兼ねてしまえばいいかも」ということで、カフェへの構想とともにフクロウの飼育も検討し始めたという。
「前職は出張が多かったので飼えずにいたんですが、いつか飼いたいという想いを抱き続けて、フクロウカフェに通って生態を学ぶなど、飼うための準備を進めていました」。ついに念願叶って2014年、8889オープンに向けて動き出すと同時に9羽のフクロウを購入。自宅にも店にもフクロウたちが過ごすスペースをつくり、なんと毎日一緒に出勤しているのだとか!
今ではふフクロウたちは野中さんとすっかり仲良しで、野中さんの手の上では、ちょっと甘えた声を出したりもする。そしてもちろん、客も実際に触らせてもらうことができる。
音楽と縁が深いフクロウたち
フクロウとの触れ合いを楽しめるのは、土日祝日の13時~17時。1時間1ドリンク付き1,000円で、好きなフクロウを指名して、一緒に写真撮ることもOK! ドリンクはコーヒーやココア、オレンジジュースの他、野中さん手作りの日替わりグリーンスムージーなどもある。
フクロウはメンフクロウやモリフクロウなどの大型のものから、コキンメフクロウ、サバクコノハズクなど小型なものまでおり、おもしろいことに、全てのフクロウがミュージシャンやバンドにあやかった名前なのだ。メンフクロウの「パティ」はパティ・スミス、モリフクロウの「ニコ」はヴェルヴェット・アンダーグラウンドのアルバム参加でも知られるニコ、アフリカオオコノハズクの「ニル」はニルヴァーナといった具合である。
音楽好きな人なら、名前を聞いてから一羽を選ぶのも一興だろう。ちなみに、野中さんは大の音楽好き。インディーズバンドのライブに足しげく通っていたこともあるというので、音楽話に花を咲かせたいという人にもおすすめだ。
よりどりみどりのパクチー料理
そしてもちろん、パクチー料理は絶品! 「トマトのステーキ パクチーばさみ」「マッシュルームのパク肉詰め」(以上、650円)、「ぶりのパクチーまみれ」「あさりとパクチーのピリ辛そば」「パクチーとアボカドと色々鮮魚のタルタル」(以上、700円)など、ネーミングからしてパクチーがいっぱい詰まっていることが容易に想像できる。
お酒も種類豊富にそろっており、ひとりでも気軽に足を踏み入れられるアットホームな雰囲気も魅力。仕事帰りにちょっと一杯利用するのも良さそうだ。なお、料理とお酒が楽しめるのは18時~24時(土日祝日は19時~)で、フクロウと触れ合える時間とは別に設けられている。
「飼いたい!」という人もサポート
「おひとりでいらっしゃる男性客も多いんですよ。カフェの時間なら、フクロウを手に乗せながら読書とコーヒータイムを楽しんでいらっしゃったり。女性のお客様は『フクロウかわいい~』と言いながらフクロウに親しんでいるんですが、男性のお客様は静かにはまっていく感じがしますね(笑)」と野中さんもうれしそう。
ちなみに、フクロウたちは個体や種類によって性格に差があるそうなので、相性のいい一羽を見付けるのも楽しいかもしれない。しかし、かわいすぎる一羽に出会ってしまうと、何時間経っても店を離れられなくなる可能性が非常に高いのでどうぞご注意を! 帰宅後もフクロウのことが頭から離れなーい! なんて症状が出てしまうことだってあるのだから。
どうにもこうにもその魅力にはまってしまった場合は、野中さんのレクチャーを受けて飼育を検討するのも一手かも!? フクロウかわいさに通い詰めている内に、パクチー料理にも詳しくなったりして!
※記事中の情報・価格は2014年12月取材時のもの。価格は税別