日本経済研究センターはこのほど、2014年11月の世界景気インデックス(景気指数)が前月比0.5ポイント改善のマイナス2.7となったと発表した。米欧では、原油安の恩恵もあり生産・小売・輸入の全指標が改善した。なお、指数で表す天気は7カ月連続の「雨」だった。
地域・国別に見ると、米国は「曇り」。11月の鉱工業生産は前月比1.3%増と、2010年5月(同1.6%増)以来の大きな伸びを記録した。製造業は同1.1%増となったほか、暖房需要が伸びたことで公共事業も増加。小売売上高も、ガソリン価格の下落が個人消費を後押ししたため年末商戦が好調で、同0.4%増と2カ月連続のプラスとなった。
EUは「曇り」で、4カ月ぶりに「雨」を脱した。鉱工業生産は前月比0.2%増と3カ月連続のプラス。耐久消費財は同1.7%増、小売売上高(数量ベース)は同0.8%増となった。米国同様、ガソリンの値下がりと年末商戦が好調だったことが影響した。
日本は「雨」。生産や輸入の落ち込みにより指数が悪化した。鉱工業生産は前月比0.6%減と3カ月ぶりのマイナス。自動車を含む輸送機械やスマートフォン関連の需要により電子部品・デバイスはプラスに寄与したものの、はん用・生産用・業務用機械の落ち込みが全体の足を引っ張った。
BRICsは「嵐」。景気回復は足踏み状態にあるが、インドの指数が改善し、全体を押し上げたという。