全国の大学生が求めてやまない「単位」。「買えるものなら買いたい」と思った人も多いことだろう。現在、関東甲信越地方の一部の大学では「単位パン」(税込108円)を1月23日までの期間限定で販売している。同商品を企画した大学生協東京事業連合の担当者に、「単位パン」に込めた思いを聞いた。

「単位パン」(税込み108円)

きっかけは生協の「一言カード」

「単位パン」の正体は、大学生協が販売している「単位」の焼き印が入ったクリームパンだ。価格も108円とリーズナブル。もちろん、大学卒業に必要な単位はお金では買えないし、「単位パン」を買ったからといって単位を取得できるわけではない。そもそもなぜこの商品は生まれたのだろう。

千葉大学では焼きごてを祈祷!

きっかけは大学生協の「一言カード」にあったそうだ。「一言カード」は学生の意見や要望を取り入れるためのコメントカードで、学生からは意見・要望のみならず、時には人生相談などの変わったコメントも寄せられるという。その中には「生協で単位を売ってください」という要望も多く、そんな学生の切実な願いに何らかの形で応えたい……、そんな思いから商品化に至ったそうだ。

千葉大学では、焼き印をつける焼きごてを湯島天神にて祈祷。「単位取得祈願」がかかった「単位パン」を販売しているという。単なる"ネタ商品"にとどまらない、学生たちを思う"親心"みたいな愛情が見て取れないだろうか。

レシートには「単位 \108」

本当に単位を買った気分になれるのだ

「単位パン」を購入すると、レシートでの商品名は「単位」と印字される。あえて「パン」という字を抜いたのも、「生協で単位が買えればいいのに」という学生の願いをかなえよう、という粋な心配りからなのだ。

現在同商品を販売している大学は、関東甲信越地方の60~65大学。東京事業連合加盟の大学生協全体の企画なので、69大学の生協で販売自体は可能となっているという。それぞれの生協での判断もあるため全ての店舗で販売しているわけではないとのことだが、「一言カード」に記入すれば販売を考えてくれるかも?

今のところ販売期間の延長予定などはないが、状況次第では何らかの施策がある可能性も。また、今後も学生の要望に添った商品企画を検討していくとのことだ。これからの企画にもぜひ期待したい。

なお、本当の単位は買うことができないが、勉強すればもらえることがある。