角川アスキー総合研究所は、東海4県(愛知、静岡、岐阜、三重県)における70カ所で携帯電話キャリア3社のiPhone、Androidスマートフォンの通信速度を測定し、その結果を1月14日に発表した。同調査では、ダウンロードおよびアップロード速度、最速となった地点数でNTTドコモがトップだった。
今回の調査は、スマートフォンの主要ユーザーである20代に焦点を当てたもの。計測場所は東海4県の今冬に若者で賑わうと予測される70カ所で、期間は2014年12月3日から15日まで(土日祝を除いた平日9日間)。
利用したスマートフォンは、ドコモが「iPhone 6」「Xperia Z3(SO-01G)」、KDDI(au)が「iPhone 6」「Xperia Z3(SOL26)」、ソフトバンクモバイルが「iPhone 6」「Xperia Z3(401SO)」。速度計測アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」を利用し、ダウンロードおよびアップロード速度を計測。1機種につき1調査地点で3回計測し、その平均値を記録した(1回の計測値に大きな差がある場合は5回計測のうえ中央の3回の平均値を記録)。
ダウンロード/アップロードともにドコモが最速
全70カ所における総合的な平均ダウンロード速度は、ドコモが46.28Mbpsで最速だった。機種別に見ても、iPhone 6で46.20Mbps、Xperia Z3で46.36Mbpsが出ているドコモがトップとなっている。平均アップロード速度についても同様で、ドコモが18.74Mbpsで最速。機種別でも、ドコモのiPhone 6は17.88Mbps、Xperia Z3は19.59Mbpsでトップだった。
また県別に見ても平均ダウンロード/アップロードともにドコモが最速だった。静岡・岐阜・三重の3県では、ドコモの平均ダウンロード速度が他キャリアを大幅に上回ったが、愛知県ではソフトバンク、auも健闘。Xperia Z3の場合、愛知県の全33カ所の平均ダウンロード速度はドコモが35.42Mbps、auが30.91Mbps、ソフトバンクが32.53Mbpsという結果で、どのキャリアも30Mbpsを超える速度となった。
最速地点数でもドコモが最多
このほか全70カ所のうち、ドコモのダウンロード速度が最速となった地点数は38カ所で3キャリア中最多を記録。iPhone 6に限定すると70カ所中39カ所、Xperia Z3では36カ所で最速となり、いずれも半数以上の地点でドコモの平均ダウンロード速度が最速だった。同様に、平均アップロード速度では70カ所中50カ所でドコモが最速。こちらも他キャリアを大きく引き離した。
県別に見ると、ダウンロード速度について岐阜県ではドコモが総合的に最速となったのは9カ所中、7カ所。三重県は11カ所中6カ所、静岡県は17カ所中11カ所だった。
愛知県は、全33カ所中、14カ所でドコモがトップ。なお愛知県内の鉄道駅ではauが、地下鉄駅ではソフトバンクが最速となる地点もあった。この結果について、同調査は、「ドコモのユーザー数が他キャリアよりも多いため、名古屋市内など、人口が密集する場所ではユーザー数も多くなって混み合うことが要因にあると考えられる」と分析している。
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お伝えしてきた通り、東海4県における調査の結果、「ダウンロード速度」「アップロード速度」「最速となった地点数」でドコモがトップとなった。県別に見ても、ダウンロードに関しては「速度」「地点数」でドコモがトップ。アップロードに関しては、三重県におけるXperia Z3の平均速度のみソフトバンクに勝利を譲ったが、その差はわずかに1Mbpほど。ほとんどドコモのひとり勝ちとも言える内容となった。
ちなみに角川アスキー総合研究所では、1月7日に「東海4県 若年層のスマートフォンネットワーク満足度調査」の結果を発表している。同調査では、若年層の実感値としてドコモが「エリア」「通話品質」「通信品質」ともに満足度トップを獲得したことが明らかとなっている。今回の「スマートフォン通信速度調査(東海4県)」の結果を裏付けるものと言えそうだ。