説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「喫茶店でテザリングすると、速度が出ないような気がします……」という質問に答えます。

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スマートフォンのセルラー回線を共有することで、直接セルラー回線には接続できないパソコンやゲーム端末からインターネット接続を可能にする「テザリング」。日本でもiPhone 5からサービス利用が可能になり、いまや重要なネットワーク関連機能となりました。

そのテザリング、iPhoneでは無線LAN(Wi-Fi)とBluetooth、USBケーブルという3つの経路がサポートされていますが、多くのユーザはWi-Fiでの接続を選択しているようです。完全ワイヤレスで使える、Bluetoothより通信速度が上、OS X Yosemiteが動作するMacを使えばパソコン側からテザリングが開始/停止できる、という点からするとWi-Fiが選ばれることには納得です。

しかし、喫茶店や空港のラウンジのように多くのユーザがWi-Fiを利用している場所では、Wi-Fi経由でのテザリングは速度が出ない可能性があります。Wi-Fiに使われる周波数帯域は限られているため(2.4GHz/5GHz)、多くのユーザが一斉に使い出すと電波が干渉して繋がりにくくなることがあるのです。混雑した場所では、Wi-FiよりもUSBケーブルのほうが安定して通信できることでしょう。

USBケーブルを持ち歩きたくない、という場合はBluetoothを選ぶといいでしょう。Wi-Fiに比べると通信速度は落ちますが、メールのやり取り程度であればストレスはありません。WEBの閲覧も、テキストが主体のページであれば苦にならないでしょう。Bluetoothも特定の周波数帯(2.4GHz)を使用しますが、Wi-Fiが使用しているチャンネル自動的に避けるしくみが導入されているため、実効速度に大きな影響はありません。バッテリー消費量も少ないので、混雑した場所ではWi-Fiより効率的です。

喫茶店のようにWi-Fi利用者が多い場所では、USBケーブルかBluetoothを選ぶほうが速度低下しにくくなります